トップでの 胸郭回旋とは?
トップ・胸郭回旋
あとで読む保存した記事へ →
詳しい解説
トップでの胸郭回旋は、トップ・オブ・バックスイングという基準時点で、胸郭セグメントが軸回旋方向にどの向きを取っているかを見る指標です。右打ちでは一般にバックスイングで胸郭が右方向へ回りますが、角度の正負や0度の基準は計測システムによって異なります。
Horanらの2010年研究では、ハンデ4以下の熟練男性19人・女性19人を光学式3次元動作解析で計測し、トップからインパクトまでの胸郭と骨盤について、3次元の位置・向き・角速度を連続的に算出しました。このような解析では、胸郭回旋は胸郭セグメントの3次元的な向きの一成分で、前後傾や左右傾斜とは別に扱います。
ここで注意したいのは、見た目の『肩の向き』と胸郭回旋角が同じとは限らないことです。Wheatらの2007年研究では、10人のゴルファーを3D計測し、左右肩峰を結ぶ線と胸郭セグメントから算出した上体アライメントを比較しました。肩峰を結ぶ線はアドレスでは比較的よく一致しましたが、トップでは胸郭アライメントの推定精度が大きく低下しました。トップの胸郭回旋を測るなら、どのマーカー・セグメント定義を使ったかが重要です。
また、胸郭回旋とXファクターも同じではありません。胸郭回旋は胸郭そのものの向きで、Xファクターは胸郭と骨盤の回旋差です。たとえば胸郭が大きく回っていても、骨盤も同程度に回っていれば両者の分離角は大きくならないことがあります。
実用上は、①トップをどう定義したか、②胸郭セグメントをどう作ったか、③アドレス基準かグローバル座標基準か、④胸郭単独の回旋か骨盤との差かをそろえて比較します。トップで何度回れば正解という固定値にはせず、本人のクラブ速度、打点、球筋、再現性と合わせて評価します。