ゴルフ百科事典

3Dスイング解析の「右手首の橈屈・尺屈」って何?

身体運動・3D解析

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

右手首の橈屈・尺屈は、手首が親指側へ曲がる動き(橈屈)と小指側へ曲がる動き(尺屈)を表します。右打ちではトレイル手首の3次元運動の一成分で、掌屈・背屈や前腕回旋とは別に測ります。

詳しい解説

橈屈・尺屈は、手首を手のひらの面に沿って親指側/小指側へ動かす運動です。右打ちゴルファーでは右手首がトレイル手首に当たり、3Dスイング解析では掌屈・背屈、橈屈・尺屈、前腕に対する回転などを分けて扱います。

左手を掌側から見る方向線の例です。画面左を小指側、右を親指側と定義し、尺屈・橈屈の方向を示します。右手の画面左右は逆になるため、左右手首を読む際は必ず解剖学的な親指・小指側で確認します。骨格、実握り、コック角の全体を再現しません。

ゴルフスイング中の手首は一方向だけに動くわけではありません。グリップ条件を変えて両手首の3次元運動を測定した研究では、橈屈・尺屈を含む複数の運動成分がスイング局面ごとに変化し、グリップによる影響も成分ごとに異なりました。したがって、「右手首が何度なら正解」と一つの角度だけを固定することはできません。

また、3D手首角はマーカーを置く位置や局所座標系の定義でも変わります。2020年の研究では、手・前腕のマーカー配置によって算出される手首角に大きな違いが生じる場合があり、特に軸回旋の誤差が他の角度成分へ混ざる可能性が示されました。

実用上は、①右打ちなら右=トレイル手首であること、②橈屈・尺屈の正負方向、③同時に起きている掌屈・背屈、④トップ・ダウンスイング・インパクトなど比較する局面、⑤同じ計測法かを確認します。

橈屈・尺屈は右手首の使い方を記述する一つの座標成分であり、単独の角度を増減させること自体を目的にはしません。クラブフェース、グリップ、、球筋と合わせて読みます。