ゴルフ百科事典

ゴルフ会員権の相場が上がっても、クラブ自体の経営が良いとは限らないのはなぜ?

クラブ会員制度・会員権

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まず答え

会員権の相場は「その権利を市場でいくらで売買するか」という価格で、クラブ運営会社の利益・資金繰り・債務とは別のものだからです。相場上昇は人気や需給の強さを示す材料にはなりますが、経営の健全性を単独では証明しません。

詳しい解説

ゴルフ会員権の市場価格と、ゴルフクラブを運営する会社の経営状態は、関係することはあっても同じ数字ではありません。会員権相場は、会員になりたい人と売りたい人の需給、施設利用の魅力、入会条件、流通量などを通じて形成される「権利の取引価格」です。

国税庁も、取引相場のあるゴルフ会員権について、課税時点の通常の取引価格を基礎に評価するとしています。一方で、取引価格に含まれない預託金がある場合は、その返還額を別に加えて評価します。つまり会員権自体も、市場価格だけでなく預託金返還請求権など複数の権利要素を持つ場合があります。

クラブ側の経営を見るときは別の指標が必要です。売上、営業利益、現預金、借入金、設備更新費、預託金の返還義務など、実際に事業を継続できるかを判断する財務情報が中心になります。会員権の売買価格が上がっていても、その取引代金が運営会社へ入る仕組みでなければ、相場上昇だけで会社の資金繰りが改善するわけではありません。

国税庁税務大学校の研究資料でも、かつて会員権相場と預託金の関係が崩れ、預託金返還請求がゴルフ場経営を圧迫した事例が整理されています。市場で売買される会員権の価格と、クラブが将来負う返還義務・経営体力を分けて見る必要があることを示す例です。

反対に、経営が安定していて施設やサービスへの評価が高いことが、会員権需要を高めて相場を支える場合はあります。そのため相場はクラブ人気や期待を映す一つの材料にはなります。ただし、相場だけを見て「経営が良い」と結論づけるのは飛躍です。

実際にクラブの健全性を確認するなら、会員権相場とは別に、運営会社の財務、設備投資の状況、会員数、預託金・債務、利用実績などを見ます。会員権価格は市場評価、経営状態は事業の持続性、と分けて考えるのが基本です。