霜の 朝は、 人が 歩くより グリーンを ローリングする 方が 傷みやすい?
低温・霜・交通
詳しい解説
霜が出たグリーンでは、どんな交通でも同じ程度に傷むわけではありません。交通の種類、荷重、繰り返し回数、芝種、表面や土壌の凍結状態で傷み方が変わります。
USGAが支援したオレゴン州立大学の研究では、まずポアアニュアのパッティンググリーン2面で、霜がある朝に6・12・24・48歩の歩行交通を8回の霜発生日に与えました。作業靴またはゴルフシューズを使い、見た目の傷みとNDVIを測定しましたが、この条件では無交通区との有意な差は確認されませんでした。
一方、2023年1月2日から2月28日まで同じ地域のポアアニュアグリーンでローリングを続けた試験では、霜の発生日の後に芝質低下が確認されました。特に午前8時のローリングは午後1時より傷みが大きい期間があり、相関解析では朝の地温が最も有効な予測指標でした。朝の地温が32°F(0℃)以下の時にローリングすると、許容できないレベルの傷みが発生しました。
2023〜2025年の追跡結果でも、ローラーやカートによる冬季交通は無交通区より芝の健康指標を下げる傾向があり、朝の交通の方が午後より悪化しやすい結果でした。つまり、霜や凍結条件では『人が歩くかどうか』だけでなく、重量のある管理機械やカートを動かすかを別に考える必要があります。
ただし、この結果を『霜があっても歩行は安全』と一般化するのは危険です。最初の歩行試験はポアアニュアで、限定された歩数と特定環境を対象にしたものです。別の芝種や大量の歩行交通では結果が変わる可能性があり、研究者も各コースで確認してから霜遅延方針を変えるよう注意しています。
実務では、霜の有無だけでなく朝の地表・土壌温度、芝種、予定する交通の種類を確認します。少なくとも朝の地温が氷点以下の条件では、ローラーやカートなど重量のある交通を避ける判断が研究結果と一致します。