歩行が 多い グリーンでは、 ローリングすると スパイク傷が 増える?
グリーン性能・交通摩耗
まず答え
増える場合があります。クリーピングベントグラスの2年間の一次研究では、週3回の軽量ローリングを行った区で、強い靴底・スパイクを想定した歩行による見た目の摩耗傷が増えた地点・年がありました。ただし全地点・全年度で同じではなく、水分や芝の状態も影響します。
詳しい解説
ローリングはグリーンを滑らかにし、転がりを整えるための有効な管理ですが、歩行交通が多い面では、ローリングによる機械交通とゴルファーの踏圧が重なって傷みを増やす場合があります。
ミシガン州立大学とアーカンソー大学が行った2年間の圃場試験では、クリーピングベントグラスのパッティンググリーンに、歩行による強い摩耗を再現しながら、週3回の軽量ローリング、グルーミング、目砂、窒素量などの管理条件を比較しました。
結果は、週3回ローリングした区で、アーカンソーでは2年間とも見た目の摩耗傷が有意に増え、ミシガン州立大学でも2017年に増加しました。ローリング区で傷みが増えた時には、根域上部約3.8cmの水分量も高くなっていました。つまり、ローリングそのものだけでなく、湿った表面や根域と歩行交通が組み合わさることで傷みやすくなる可能性があります。
一方、すべての地点・年でローリングが傷みを増やしたわけではありません。芝の生育状態、根域、水分、気温、交通量、靴底の形状などで反応は変わります。この研究は、ローリングを止めれば必ず傷みが減るという結論ではなく、歩行交通が大きい条件では管理強度を調整する必要があることを示しています。
実務では、出入口やカップ周辺など歩行が集中する場所で傷みが増えている時に、ローリング回数だけを固定せず、水分、交通量、旋回位置、目砂なども一緒に確認します。特に表面が湿っている日や回復が遅い時期は、ローリング頻度を下げたり、走行方向や旋回位置を分散したりする方が安全です。
したがって、ローリングは『歩行傷を必ず増やす作業』ではありませんが、歩行交通と水分条件によっては摩耗を増幅する要因になります。速度だけでなく、傷みの面積と回復速度も見ながら頻度を決めます。