フェアウェイでは、 乗用カートと 歩行で 芝への 負担は 同じ?
フェアウェイ・交通管理
まず答え
同じではありません。どちらも繰り返せば芝を摩耗させますが、乗用カートは車体荷重とタイヤの通過が加わり、特に濡れた土・凍結時・同じ経路へ交通が集中する条件で芝質低下や土壌締固めを起こしやすくなります。冬季のフェアウェイ試験では、カート交通は複数年で芝の健全度を低下させた一方、歩行交通の影響は草種・年・時刻によって小さいか検出されない条件もありました。
詳しい解説
フェアウェイの交通負荷は、単に「何人通ったか」だけでは決まりません。芝葉や茎が擦れて減る摩耗と、根の周りの土が押し固められる締固めの両方が関わります。歩行でも同じ場所へ繰り返し交通が集中すれば傷みますが、乗用カートでは車体の荷重とタイヤの回転・旋回が加わるため、条件によっては影響が大きくなります。
ミネソタ大学などが進めるWinterTurfの現地試験では、2023〜2025年に冬季のフェアウェイへ繰り返し交通を与え、芝の健全度をNDVIで追跡しました。カート交通は朝・午後とも無処理区より芝の健全度を低下させることが多く、特に凍結しやすい朝の交通で影響が大きい傾向がありました。一方、2024年に追加された歩行交通試験では、ペレニアルライグラスで2025年に低下が見られたものの、クリーピングベントグラスでは明確な低下が報告されていません。つまり「歩行なら無害」ではありませんが、同じ試験条件ではカート交通の方が影響が安定して大きく出ています。
夏の乾燥条件でも、ゴルフカート交通が芝の品質と緑被率を悪化させることが2年間の圃場試験で確認されています。ただし影響の大きさは芝種や刈高で異なりました。交通への強さは、カートか歩行かだけでなく、芝種、生育速度、水分状態、刈高、気温、回復できる季節かどうかで変わります。
特に注意したいのは、土が濡れて軟らかい時、凍結や低温で芝の回復が遅い時、乾燥や暑さで芝が強いストレスを受けている時、そしてカートの出入口など同じ経路へ交通が集中する場所です。こうした条件では、わだち、葉の摩耗、根域の締固めが重なりやすくなります。
実務では「カートを全面禁止するか」の二択ではなく、濡れた時や回復の遅い時期はカート道へ制限する、90度ルールを使う、出入口を分散する、同じ場所への通過を集中させない、といった方法で負荷を減らします。歩行も集中すれば傷むため、プレーヤーや管理機械を含めて交通量と経路を分散させることが基本です。