ゴルフ百科事典

同じフェアウェイでも、日向と日陰を別の散水ゾーンに分けることがあるの?

灌漑設計・散水制御

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

あります。日照、風、などが違えば水の減り方も変わるため、必要水量が違う場所を別の散水設定に分けることがあります。設備によっては物理的に別ゾーンにせず、個々のスプリンクラーの運転時間を変えて調整します。

詳しい解説

同じフェアウェイでも、すべての場所が同じ速さで乾くわけではありません。日当たりが良く風を受ける場所は水分を失いやすく、木陰や日射の少ない場所は乾き方が遅いことがあります。土壌や地形が違えば、その差はさらに大きくなります。

USGAの水管理資料では、ゴルフ場を必要水量ごとの『ハイドロゾーン』に分類し、湿りやすい場所、中間、乾きやすい場所などを分けて管理する考え方を示しています。また、個々のフェアウェイでも日陰、太陽への向き、土壌によって必要な散水量が違うため、蒸発散量に対する設定値を変える例を挙げています。

水需要が近い場所をまとめ、区域やヘッドごとに散水を調整する考え方です。日照だけで量を決めず、土壌水分・風・地形・芝種などを合わせて見ます。図は配管設計や全設備での独立系統を示していません。

そのため設備設計では、日向と日陰を別系統にする場合もあれば、中央制御でスプリンクラーごとの運転時間を変える場合もあります。古い設備で大きな区域を一括運転するしかない場合は、乾く場所に合わせて散水すると日陰側が過湿になりやすく、逆に日陰側へ合わせると日向側が乾きやすくなります。

過湿は単なる水の無駄ではなく、地面を軟らかくし、芝の病害や根の状態、プレー性へ悪影響を与えることがあります。反対に不足すれば芝が乾燥ストレスを受けます。

実際のゾーン分けは『日向か日陰か』だけで決めません。土壌水分、地形、散水の重なり、、風、利用頻度なども見て、似た水需要の場所をまとめます。

つまり目的は、見た目の区画を分けることではなく、必要な場所へ必要な量だけ水を与えられる制御単位を作ることです。