その 場では 良くなるのに 翌日に 残らない 傾向が 続くなら、 練習方法を 変えるべき?
保持・定着
まず答え
同じ傾向が何度も続くなら、練習方法を見直す価値があります。練習中の一時的な好結果と、翌日も再現できる「定着」は別です。翌日の最初の数球を確認し、毎回ほぼ元に戻るなら、量を増やすよりフィードバックや課題の与え方を変えて保持を確かめます。
詳しい解説
練習中に急に当たりが良くなっても、それだけでは動きが定着したとは言えません。運動学習の研究では、練習直後の成績とは別に、一定時間を空けた「保持テスト」を使って学習が残っているかを確認します。
ゴルフのパッティング研究でも、練習したその場の成績だけでなく、24時間後や48時間後にフィードバックを外した状態で再テストしています。例えば、時間的比較フィードバックを調べた研究では、練習翌日の保持テストまで行い、練習時の変化ではなく翌日に残った差を学習効果として評価しました。別のパッティング研究でも、練習時に好まれた条件と実際の保持・転移成績が一致しない「好みと成績のずれ」が確認されています。
したがって、「その場では良くなるが翌日の最初から戻る」が何度も起きるなら、同じ練習をそのまま繰り返すより、方法を調整する理由になります。見直す対象は、ドリルそのものだけでなく、フィードバックを毎球もらいすぎていないか、補助具がないと再現できなくなっていないか、同じ球・同じクラブ・同じ場所だけで練習していないか、といった練習条件です。
ただし、1回だけ翌日に悪かったから即座に捨てる必要はありません。睡眠、疲労、ウォームアップ、計測条件によっても最初の数球は変わります。判断するなら、数回の練習で同じパターンが繰り返されるかを見ます。
実用上は、練習終了時の最高値よりも、次回の練習開始時に補助や追加説明なしで同じ動きや球筋を再現できるかを記録します。翌日も残れば継続、毎回ほぼゼロから作り直しになるなら、フィードバック頻度、課題の難しさ、練習の変化量などを一つずつ変えて、保持が改善する方法を探します。
つまり、翌日に残らないこと自体は失敗ではなく、「その練習は即時成績には効くが、保持には弱いかもしれない」という情報です。変更の判断は練習中の気持ち良さではなく、遅れて再現できるかで行います。