グリーンを ブラッシングしてから 刈ると、 ボールは 必ず 長く 転がる?
刈込み・芝目管理
まず答え
いいえ。クリーピングベントグラスで14日間調べた一次研究では、ブラッシングを毎日の刈込みに組み込むと、ブラシの種類にかかわらず無処理よりボールの転がり距離が20cm超短くなり、芝品質も低下しました。ブラッシングは芝目を起こす管理ですが、短期的にグリーンを速くするとは限りません。
詳しい解説
ブラッシングは、横に寝た葉を起こして刈り込みやすくし、芝目を整える目的で使われます。そのため「刈る前にブラシをかければ、表面が整ってグリーンも速くなる」と考えやすいですが、短期試験では逆の結果が出ています。
Lulisらは2016年と2017年に、クリーピングベントグラスのパッティンググリーンで、回転式、硬い押しブラシ、柔らかい押しブラシの3種類を使い、ブラッシングなし、1回、2回を刈込みと組み合わせて14日間比較しました。
その結果、14日目にはすべてのブラシ種類で、ブラッシングなしよりボールの転がり距離が20cm超短くなりました。1回のブラッシング+刈込みでも、毎日刈るだけの処理より転がり距離が短くなり、芝品質も低下しました。ブラッシングと刈込みを2回行う処理では、転がり距離はブラッシングなしの1回刈りと同程度まで戻りましたが、芝品質は許容水準を下回りました。特に硬いブラシは芝品質への負担が大きくなりました。
この結果は、ブラッシング自体が無意味という意味ではありません。葉を起こす、横方向の生育を抑える、刈込みの均一性を助けるなど別の目的があります。ただし、大会前など短期間で転がり距離を伸ばしたい場面では、ブラッシングを追加すれば自動的に速くなるとは考えない方が安全です。
また、この研究はクリーピングベントグラスを14日間処理した条件です。芝種、ブラシの硬さ、接触の深さ、回数、刈高、芝の生育状態が変われば反応も変わります。実務では、ブラッシング後の転がり距離だけでなく、葉先の損傷や芝品質も測り、自コースで目的に合う強度と頻度を決めます。