昔の グリーン面を 復元すると、 現代の グリーンスピードでは 難しすぎる ことがある?
歴史的コース保存・修復
まず答え
あります。昔のグリーンは現在より遅い転がりを前提に強い傾斜や細かな起伏を持つ場合があり、その形をそのまま復元して速度だけ現代水準にすると、球が止まりにくく使えるホール位置が減ることがあります。形と速度をセットで考える必要があります。
詳しい解説
歴史的なグリーンを復元するときは、『元の形へ戻せば当時と同じプレーになる』とは限りません。芝、刈高、ローラー、管理技術が変わり、現在のグリーンは昔より速く維持できるためです。
USGA Green Sectionは、グリーンには形状に応じた『設計上の速度限界』があると説明しています。速度が上がりすぎると、傾斜の強い場所では打った球が止まりにくくなり、ホールを切れる面積が減ります。USGAによると、1978年に多数の米国コースで測った平均速度は6フィート6インチで、現代はそれよりかなり速くなっています。昔のグリーンには、その遅い速度を前提に強い傾斜を設けたものがあります。
そのため、昔の輪郭や起伏を忠実に戻したうえで、現在の速い管理をそのまま当てはめると、設計者が本来使えていたホール位置が逆に使えなくなることがあります。速すぎるとプレー時間や芝への負担にも影響します。
実際にASGCAが紹介するPonte Vedra Inn & Clubの改修では、グリーンの元の大きさを復元しながら、細かな起伏は現代のグリーンスピードに対応するよう調整しました。これは『歴史的形状を完全コピーすること』より、元の意図と現在のプレー条件を両立させる考え方の例です。
一方、歴史的価値が非常に高く、元の起伏そのものを残す場合は、グリーン速度を抑える方法もあります。USGAは、急な傾斜を持つグリーンでは速度を下げることでプレー性を改善できる例を示しています。
したがって復元では、①元の輪郭と傾斜、②当時想定された転がり、③現在目標とする速度、④確保できるホール位置、⑤芝の健全性を一緒に確認します。歴史的な形を守るなら速度を合わせる、現代の速度を維持するなら一部の起伏を調整する、という選択が必要になることがあります。