ゴルフ百科事典

大会のラフは、高くすればするほど難しくて良い?

競技用ラフ

あとで読む保存した記事へ →

まず答え

いいえ。競技ラフの難しさは高さだけで決まりません。芝の種類と密度、ラフの幅、フェアウェイからの距離、水分などでもボールの沈み方や脱出難度が変わります。大会では「何インチなら正解」と固定せず、芝質と狙う難度に合わせて高さと範囲を調整します。

詳しい解説

競技用ラフは、単純に長く伸ばせば良いわけではありません。同じでも、や密度が違えばボールの沈み方とクラブへの抵抗は大きく変わります。

同じ高さでも芝の密度や葉・茎の構造で、球の支え方とクラブへの抵抗は変わります。高さや密度だけでは難度を決められず、実際のボールライ、芝種、水分も確認します。図は芝種の識別図や、球の位置を予測する図ではありません。

USGAの競技準備資料でも、プライマリーラフの刈高は「密度によって」幅を持たせて設定されています。つまり高さだけでなく、その芝がどれだけ密に立っているかを見ながら調整しています。USGAが2023年の全米オープンで説明した例では、は寒地型芝より低い高さでも非常に厳しくなり得るため、過去の全米オープンで見られた5〜6インチのラフをそのまま再現する考え方は適切ではないとしています。

難しさは横方向の設定でも変わります。競技によってはフェアウェイ際に低めの中間ラフを置き、その外側に高いラフを配置したり、ホールごとにラフの幅を変えたりします。USGAの大会事例では、短いホールと長いホールでラフ幅や高さを変え、ミスの大きさに応じて段階的にペナルティーが増える構成も使われています。

また、ラフを極端に高く・密にすると、難度だけでなく球探しの時間、プレー進行、維持管理の負担も増えます。USGAは一般コースで「全米オープン級ラフ」を再現すると、や遅延が増え、管理にも追加の肥料・散水・作業が必要になり得ると説明しています。

したがって競技用ラフのセットアップは、「高さを最大化する作業」ではなく、芝種・密度・幅・位置と大会が狙うプレー難度を組み合わせる仕事です。適切な高さはコースと芝の状態で変わるため、特定の数値を万能な基準にはできません。