3Dスイング解析の 「座標系」って 何?
3Dモーションキャプチャ
まず答え
3D空間のどこを原点にし、どの向きをX・Y・Z軸にするかを決める「物差し」です。座標系が違うと、同じスイングでも位置や回転の数値の符号・内訳が変わり得るため、数値比較では軸の定義をそろえる必要があります。
詳しい解説
3Dスイング解析では、カメラやセンサーから得た点の位置を、空間上の数値として表します。ただし「X=10、Y=5、Z=2」のような数字だけでは意味がありません。どこを原点にし、どの方向をX・Y・Zとするかを先に決めて初めて、位置や動きの方向を解釈できます。この基準が座標系です。
生体力学では、関節や身体部位の3次元運動を報告するために座標系の定義が重要です。GroodとSuntayは1983年に、2つの剛体間の3次元回転・並進を記述するための関節座標系を提示しました。国際バイオメカニクス学会(ISB)も2002年、研究間で関節運動の表し方をそろえるため、座標系の標準化を勧告しています。
ゴルフでも同じです。グリップ部に付けたセンサーでクラブの動きを測る研究では、センサー自身の基準で得た加速度・角速度を、空間に固定した基準へ変換してクラブの角運動を求めています。つまり「クラブが30度回った」という数字も、どの軸を基準にした30度なのかが分からなければ、別の機器や別の研究とそのまま比較できません。
座標系は、計測精度そのものとは別です。高精度な装置でも座標の定義が違えば表示値は変わり得ますし、同じ計測データを別の座標系へ変換して表すこともできます。
3Dスイング解析の数値を比較するときは、少なくとも「原点はどこか」「各軸はどちら向きか」「回転の正方向をどう定義しているか」「どの基準に対する値か」を確認するのが基本です。座標系が一致していない数値を、そのまま大小比較しないことが重要です。