ゴルフの 「パワー能力」って 何? 筋力が 強い ことと 同じ?
身体能力・パワー
まず答え
同じではありません。筋力が「大きな力を出せる能力」なのに対し、パワーは力と動作速度を組み合わせた仕事率を表します。力を素早く立ち上げる能力とも別の指標です。ゴルフではジャンプや回旋のパワー指標がヘッドスピードと関連しますが、それだけでスイング速度は決まりません。
詳しい解説
ゴルフでいうパワー能力は、力を出しながら素早く動く能力です。力学的なパワーは単位時間あたりの仕事、つまり仕事率を表し、直線運動では動く方向の力と速度の積で表せます。回転では、その回転軸のトルクと角速度の積になります。
力がどれだけ速く増えるかを表す「力発揮速度(RFD)」とは別です。最大筋力、RFD、パワーは関係する身体能力ですが、同じ量を測っているわけではありません。
ゴルフ研究では、パワーや関連する能力を、カウンタームーブメントジャンプのピークパワー、メディシンボール投げ、体幹回旋パワーなどで評価する例があります。力積(インパルス)も使われますが、これは力を時間にわたって積み上げた量で、パワーそのものではありません。2023年の国レベル男性ゴルファー21人の研究では、カウンタームーブメントジャンプの複数指標と体幹回旋パワーが最大ヘッドスピードと正に関連しました。
別の2023年のエリート男女ゴルファー28人の研究でも、カウンタームーブメントジャンプのピークパワーと後方へのメディシンボール投げの距離が、男女ともヘッドスピードと正に関連しました。一方、測定したすべての筋力・パワー項目が同じ強さで関連したわけではなく、体幹回旋筋力の一部はヘッドスピードと相関しませんでした。
したがって「筋力が強い=パワーが高い」「ジャンプ力が高い=必ず速く振れる」とは言えません。パワーは筋力、動作速度、身体各部の連動、技術の影響を受けます。また、相関研究はパワーの高さがヘッドスピード上昇の原因だと単独で証明するものではありません。
実用上は、最大筋力とパワーを別々に測り、さらに通常のドライバーのヘッドスピードへ転移しているかを確認します。筋力は伸びたのにジャンプや投てきの出力が伸びない場合と、パワー指標は伸びてもヘッドスピードへ反映されない場合では、次に見るべき課題が異なります。