スイング解析の 「胸郭側屈」って 何?
3Dスイング解析・身体姿勢
まず答え
胸郭側屈は、胸郭が正面から見て左右どちらかへ傾く動きを表す3次元姿勢指標です。身体全体の前傾や骨盤の傾きとは別で、右打ち・左打ちや解析座標系によって正負の表示が変わります。
詳しい解説
「胸郭側屈」は、胸郭セグメントが左右方向へ傾く動きです。3次元動作解析では、胸郭の向きを回旋、前後傾、側屈などに分けて表すことがあり、側屈はそのうち前額面方向の傾きを示します。右打ちのゴルファーで「右側屈」「左側屈」と呼ぶ場合でも、機器によって正負の符号は異なるため、数値だけで方向を決めないことが重要です。
胸郭側屈は、正面動画で見える「肩のラインの傾き」と似ていますが、同じものではありません。3次元解析の胸郭側屈は、胸郭に設定した座標系から計算する角度で、カメラの投影や肩関節そのものの位置だけを見ているわけではありません。また骨盤の側方傾斜や脊柱の側屈とも関連しますが、同一の指標ではありません。
Horanらはハンデ4以下の熟練ゴルファー男女各19人を光学式3次元解析し、ダウンスイング中の胸郭・骨盤の回旋、前後傾、側方傾斜と角速度を連続的に計測しました。インパクトでは男女間で胸郭・骨盤の側方傾斜に差があり、熟練者でも一つの固定角度が共通しているわけではありませんでした。
Simらはプロ15人とアマチュア15人について、骨盤と胸郭の屈伸・側屈・回旋の協調パターンを3次元的に比較し、ダウンスイングでは技能群間で側屈を含む協調パターンに差を報告しました。ただし群間差があることは、特定の側屈角を意図的に作れば上達することを意味しません。
実用上は、胸郭側屈だけを単独の理想値にせず、骨盤の傾き、胸郭回旋、打点、出球、クラブ軌道などと同じ時点で比較します。別の機器や解析ソフトを比較する場合は、胸郭セグメントと角度計算の定義が同じかも確認します。