芝は 日陰に なると、 なぜ薄く 弱くなりやすい?
光環境・日照
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詳しい解説
芝草は光を使って光合成し、水と二酸化炭素から成長や修復に使う糖を作ります。日陰や長い曇天で受ける光が減ると、このエネルギー生産が低下します。呼吸によるエネルギー消費は続くため、長期間では新しい葉や根を作り、刈込みや交通の傷みを回復する余力が小さくなります。
ゴルフ場では、特に低く刈るグリーンが影響を受けやすくなります。USGAは、低刈りの芝はもともと光を受ける葉の面積が少なく、日照不足が重なると根が浅くなり、芝密度が低下し、交通や病害への耐性も落ちやすいと説明しています。木陰だけでなく、長期間の曇天でも同じ方向の影響が出ます。
必要な光量は芝種と管理条件で同じではありません。USGAが紹介するアーカンソー大学の2年間の圃場研究では、移行帯で0.125インチに管理したクリーピングベントグラスのグリーンについて、許容できる品質を保つための日積算光量の目安として約30 mol/m²/日が示されました。これはその試験条件での目安であり、すべての芝種・地域・刈高へそのまま当てはめる数値ではありません。
また、日陰には気温を下げる利点が出る場合もありますが、光不足そのものは別問題です。涼しいから芝に有利に見えても、必要な光が足りなければ炭水化物の生産は不足します。日陰の芝では葉を長くして光を集めようとする反応が出ることもあるため、見た目の伸びだけで健康とは判断できません。
実務では、問題箇所の日射を時間だけでなく日積算光量で測り、樹木の剪定・伐採、刈高や交通量の調整、芝種・品種の見直しなどを検討します。つまり日陰で芝が弱るのは「木の根が水を奪うから」だけではなく、まず光合成に必要な光が不足し、作れるエネルギーと回復力が落ちることが大きな理由です。