湿度が 高いと、 芝の 病害リスクが 上がるのは なぜ?
芝病害・湿度
まず答え
高湿度そのものが病気を起こすわけではありませんが、葉が乾きにくくなり、露や水滴が長く残ることで病原菌が感染しやすい時間が長くなるためです。特に高温・高湿度・長い葉濡れが重なると、ブラウンパッチやピシウムなどの病害圧が高まりやすくなります。
詳しい解説
湿度が高いだけで芝に病気が出るわけではありません。病害の発生には、病原菌、感染しやすい芝、病原菌が活動しやすい環境が重なる必要があります。その環境条件の一つとして、高い湿度は葉面が乾くまでの時間を長くしやすい点が重要です。
夜間に湿度が高いと、露や雨、散水で濡れた葉から水分が蒸発しにくくなります。USGAは、ダラースポット、ブラウンパッチ、リーフスポット、ピシウム病などが、葉が長時間濡れた状態で発生しやすいと説明しています。病原菌によって必要な温度や葉濡れ時間は異なりますが、「湿度が高い=葉が乾きにくい」という経路が病害リスクを押し上げることがあります。
たとえばブラウンパッチでは、USGAが紹介する研究条件として、夜間の相対湿度が90%を超え、葉濡れが10時間を超えるような暖かい条件で感染に適した環境が生まれます。これは90%を超えた瞬間に必ず発病するという意味ではなく、温度、芝種、栄養状態、排水、日陰などの条件と重なったときにリスクが高まるという目安です。
高湿度の影響は病害だけではありません。暑く湿った状態で土壌まで過湿になると、芝が蒸散で体温を下げにくくなる「ウェットウィルト」のような生理的ストレスも起こり得ます。風通しの悪い場所では葉面の乾燥も遅くなるため、同じ気象条件でも場所によってリスクは変わります。
管理では、湿度の数字だけで薬剤散布を決めるのではなく、夜間温度、葉濡れ時間、露、降雨・散水、風通し、芝種、過去の病害履歴を合わせて見ます。朝露を取り除いて葉濡れ時間を短くする、夕方遅い散水を避ける、過湿を減らすといった管理は、病原菌に有利な時間を減らすために使われます。高湿度は病害の『原因そのもの』ではなく、発病しやすい環境を作る要因の一つとして扱うのが適切です。