LIN-Qシリーズ比較
EXとPowerCore、青・白・赤の振り心地と球筋の違い
白なら左を気にせず振れそう。でも、しっかりしすぎて球が右へ抜けるなら選び直したい。赤ならつかまりを助けてくれるが、すでに球が高い人には高さの増え方も気になる。LIN-Qは、強い球という言葉だけで選ぶと、欲しかった感触から外れることがある。
国内のBLUE・WHITE・REDを、EXとPowerCoreの2世代で比較する。同じ色を新型へ替える話と、青から白、白から赤へ性格を変える話は分けて見ていきたい。
国内ドライバー向けのEXとPowerCoreの6モデルを対象に、メーカー資料と各掲載者の原試打を参照。振り心地・球筋はそれぞれの条件での評価で、GOLF DNA自身が6本を実打した記録ではありません。
白で右へ抜けるなら、硬さより先に「何を頼りたいか」を考える
LIN-Q WHITE EXの5Sを打った石井建嗣氏は、低スピンの強さを感じる一方、球を揃えきれなかった。左への安心感があっても、ヘッドが戻らず右へ出続けたら、その人にとっての安定とは言いにくい。
手元のしなりを合図に振りたいのか。最後に先が少し戻ってきてほしいのか。あるいは、シャフトにはあまり動いてほしくないのか。色を決める前に、今の一本で足りないものを一つ決めておくと比較しやすい。
EXの3色と、PowerCoreの3色を分けておく
| 世代 | 国内での展開 | 比較する3モデル |
|---|---|---|
| EX | BLUEが2023年、WHITEが2024年、REDが2025年に登場 | BLUE EX/WHITE EX/RED EX |
| PowerCore | 2026年2月にBLUE、6月にWHITE・REDが加わる | PowerCore BLUE/WHITE/RED |
EXは米国で先行した設計を基に、国内向けにスペックを見直したシリーズ。PowerCoreは新技術を搭載した別の世代で、メーカーは全体がしなやかに戻る感触と打感の向上を説明している。名前が短くPCと書かれている中古や販売ページも、正式なPowerCore表記と照合したい。
青は待てるか、白は振り切れるか、赤は上がりすぎないか
| 色 | 設計上の調子 | 比べたい振り心地 | 球筋で確かめること |
|---|---|---|---|
| BLUE | 中元調子 | 切り返しでしなりを感じ、先を動かしすぎず振れるか | つかまりと左の安心感が両立するか |
| WHITE | 元調子 | 先の動きを抑え、自分の力で押していけるか | 低スピンでもキャリーを残せるか、右へ抜けないか |
| RED | 中調子 | 全体のしなりや先の戻りを使えるか | 高さとつかまりが足りるか、増えすぎないか |
LIN-Qの赤は中調子で、ATTASのSUNRISE REDは先調子。同じメーカーの赤でも、そのまま同じ走り方には置き換えられない。
BLUE EX|手元で少しためて、当たり際は押していく

Qi10 LS・9度に5Sを合わせた野村タケオ氏の試打は、手元寄りに小さな粘りを感じ、中間から先は動きすぎないという評価だった。先が急に跳ねる感触より、当たり際に球を強く押す感触が中心にある。
球は低めでスピンも少なめ、つかまりは強すぎなかった。ただし低ロフトのLSヘッドを使った試打でもある。今のシャフトが走りすぎて左が怖いなら比べたいが、もともと球が低く右へ残る人は、青を選べば無条件に整うとは考えないほうがいい。
WHITE EX|元調子でも、手元が大きくしなるとは限らない

WHITE EXは中間から先の剛性が高く、先に大きく仕事をさせず打つ側のモデル。GDOの試打では押し込む感触とフェードでの強さが評価された。一方、G440 MAXに5Sを組んだ石井氏は、手元が深くたわむより、全体のしなりが小さいと感じている。
その5Sの試打では、右へ抜ける球とつかまえにいった球が混在した。低スピンになることと、自分のタイミングでフェースを戻せることは別だ。手元調子が好きという理由だけで選ぶより、切り返しで欲しい間を感じられるか、最後まで振り切れるかを見たい。
RED EX|白より全体のしなりを使い、高さを残す

RED EXは、BLUE・WHITE側のしっかり感を残しながら、高さとつかまりを求める中調子。鈴木悠介プロの6S試打では、シャフト全体のしなりを感じ、インパクトで押せると評価されている。先端だけが急に追い越す感触とは分けて考えたい。
同じ打ち手が5Sを速いテンポで振ると高くなりすぎ、力感を落とすとつかまった球が揃った。青や白が低く右へ出るなら赤を試す理由になるが、重さを落とせば必ずやさしくなる例ではない。自分の普段の力感でしなり戻りが間に合うかを確かめたい。
PowerCoreで変えたのは、ただの硬さ表示ではない
メーカーが説明するPowerCoreは、Q-Ply素材とナノレジンシステムによって余分な変形を抑え、全体がしなやかに戻ることを狙った技術。EXより扱いやすさを求める世代だが、表記のSを一段軟らかくした、といった単純な変更ではない。
実際、WHITEは5Sの公表重量がEXの58gからPowerCoreの62gへ増えている。BLUEの6Sも67gから68g。新型で振りやすく感じることがあっても、その理由を軽量化だけでは説明できない。
PowerCore BLUE|EXより戻りを感じながら振りたい

吉田洋一郎プロの新旧BLUE比較では、PowerCoreのほうが全体のしなり戻りを感じやすく、高さも出しやすかったとされる。同じ試打でも、5Rはつかまったドローを打ちやすく、6Sは戻りが穏やかでフェードを打ちやすいという違いが出た。新型の青なら全部つかまる、とはしないほうがいい。
T島氏は、手元と先の動きのつり合いを好み、5Rより5Sのほうを当てやすく感じたという。青はシリーズの基準にしやすいが、Rなら自動的に楽になるわけではない。切り返しを急がず、体の回転についてくる感触が得られるかを見たい。
PowerCore WHITE|先を落ち着かせたい人にも、5Rという入口ができた

PowerCore WHITEには5Rがある。松本一誠プロの試打では、BLUEよりしなりは控えめでも、手元から少したわみ、低めのライナーを打ちやすいと評価された。先が大きく動くのを避けつつ、EXの5Sとは違う候補を探せる。
T島氏も、手元のしなりは感じるのに左へ行きにくかったと報告している。ただし、この感想からWHITE EXより必ず軟らかいとは言えない。新旧WHITEを同条件で比べた結果ではなく、5Rの追加と実際の振り感は分けて受け取りたい。
PowerCore RED|最後に少し助けが欲しいなら

松本プロの試打では、3色の中でREDは高さとつかまりを出しやすい側だった。手元のしっかり感を残し、中間から先の動きを使う方向で、WHITEの先が静かな感触とは違う。
T島氏もREDに先の動きを感じ、最も高い弾道だったと述べている。白では球が低く、青でももう少しつかまえたい人が比べる入口になる。一方、高く左へ曲がる球が悩みなら、飛びそうという感触だけで赤に決めず、左右とスピンの増え方を確認したい。
BLUE EXからPowerCore BLUE|仕事量が増える感触をどう使うか
新旧BLUEを同じキャロウェイ・エリート10.5度で試した記事では、PowerCoreでしなり戻りの感触と打ち出しの高さが増した。動きの小さいEXを体で振るのが好きなら、変化がそのまま買い替えの理由になるとは限らない。
EXが少し硬く、球を押す前に当たりが薄くなる。もう少ししなりの助けが欲しい。そう感じているなら、新型を比べる理由がある。反対にEXで打点と左右が揃っているなら、最高飛距離だけでなく、少し強く振ったときの左や緩めたときの右を並べて見たい。
WHITE EXからPowerCore WHITE|5S同士なら重さが増える
WHITE EXの5Sは58g、PowerCore WHITEの5Sは62g。いずれもカット前で製品長は46インチだが、同じ番号・同じSで4g違う。先の落ち着いた振り感を探す比較に、重さの違いも入ってくる。
EXの5Sがしんどかった人は、PowerCoreの5Sへそのまま替えるほかに5Rも比べたい。6SではEX68g、PowerCore66gと重さの増減が逆になるので、世代全体を重い・軽いで一括りにしない。手元の間と、後半まで振り切れる重さを一緒に見たい。
RED EXからPowerCore RED|つかまりの順位を先に決めない
どちらも中調子で、高さと適度なつかまりを求める赤。ただ、今回参照した新旧REDの原試打は打ち手もヘッドも違う。新しいほうが必ず高い、つかまる、飛ぶと順位を付ける比較には使えない。
公式値では5Sが59gから60g、6Sはともに67g。トルクも5Sは3.6度で同じだが、曲げの分布やしなり戻る感触まで同じとは言えない。今のRED EXが気に入っているなら、同じ長さ・同じヘッドで切り返しと当たり際を比べるほうが、名前から性格を推測するより確かだ。
5Sと6Sの重量・トルクを揃えて見る
| モデル | 5S重量/トルク | 6S重量/トルク | 調子 |
|---|---|---|---|
| BLUE EX | 58g/3.4度 | 67g/2.9度 | 中元 |
| WHITE EX | 58g/3.4度 | 68g/3.1度 | 元 |
| RED EX | 59g/3.6度 | 67g/3.1度 | 中 |
| PowerCore BLUE | 58g/3.9度 | 68g/3.5度 | 中元 |
| PowerCore WHITE | 62g/4.1度 | 66g/3.5度 | 元 |
| PowerCore RED | 60g/3.6度 | 67g/3.4度 | 中 |
トルクが大きくなっても、シャフト全体がそのぶん軟らかいとは読めない。ねじれやすさの公表値と、手元・中間・先の曲げ剛性は別の情報になる。完成長やチップ加工、ヘッド重量も揃えて比較したい。
R・SR・SXの選択肢は、世代ごとに違う
| モデル | 5番台 | 6番台 | 7番台 |
|---|---|---|---|
| BLUE EX | R・SR・S・SX・X | SR・S・SX・X | S・X |
| WHITE EX | S・X | S・SX・X | S・X |
| RED EX | R・S・X | S・X | S・X |
| PowerCore BLUE | R・S | S・X | S・X |
| PowerCore WHITE | R・S | S・X | S・X |
| PowerCore RED | R・S | S・X | S・X |
BLUE EXの5SRや5SXを使っている人が、PowerCoreにも同じ刻みがあると思うと候補がずれる。表示を一つ上げ下げするだけで決めず、実際の重量と、自分がしなりを感じるタイミングを確かめたい。
ヘッドスピードだけで5Rか6Sかを決めない
T島氏はヘッドスピードが速くないからと5Rから入り、結果は5Sのほうが当てやすかった。重い6Sも良い当たりは出たが、一ラウンド振れるかには疑問を残している。測定器の数字だけでは、その人の切り返し方や疲れ方までは決まらない。
WHITE EXのGDO試打でも、硬い側のスペックを好んだ打ち手がいる。だからといって、全員に硬いほうを勧める話ではない。芯に当てやすい一本と、18ホールを通して振り切れる一本を両方探したい。
ATTASからLIN-Qへ|同じ5Sのまま替えていいか
V2の5Sは公表56g、RX PURE BLUEの5Sは57g。一方、PowerCore BLUEの5Sは58g、WHITEの5Sは62g。Sの文字が同じでも、重さも性格もそのまま引き継がれるわけではない。まず「今より先を動かしたくない」のか、「手元の間を増やしたい」のかを決めてから比べたい。
V2の先端の落ち着きは好きでも、もう少し切り返しの手応えが欲しければLIN-Qの青を比較する理由になる。逆に、ATTASのRX REDで先が戻ってくる助けを気に入っているなら、LIN-Qの白へ替えると、その助けを減らす方向の比較になる。LIN-QがATTASの上位版という選び方はしない。
RX ULTRA BLACKも元調子だが、メーカーは先端を硬くしすぎず高さも出せる設計と説明している。WHITE EXの原試打で感じられた全体のしっかり感と、黒いATTASのやさしさは、同じ元調子の一言でまとめないほうがいい。
今のミスから、次に打つ色を決める
| 今の悩み | 比較する入口 | 見落としたくないこと |
|---|---|---|
| 青は振りやすいが、もう少し先を落ち着かせたい | 同世代のWHITE | 低スピンになっても、キャリーと右ミスが悪化しないか |
| 白だと低く右へ出て、振り切れない | BLUE、次にRED | つかまりの増加が、左の大きなミスに変わらないか |
| 青で球の高さとつかまりが足りない | 同世代のRED | 打ち出しとスピンが増えすぎないか |
| EXの動きが小さく、しなりを使いにくい | 同色のPowerCore | 世代差と重量・フレックス差を混ぜない |
| 今の純正に大きな不満はない | 純正を基準に候補を一色ずつ | 最高の一球だけで買い替えを決めない |
初めてLIN-Qを試すなら青を基準にすると、白へ行く理由と赤へ行く理由を比べやすい。ただ、欲しいものが最初から高さやつかまりなら、赤から試して構わない。試打の順番を型にはめる必要はない。
純正・国内EX・海外モデルは、ロゴと色だけで同一視しない
メーカーのBLUE EXのQ&Aでは、米国先行の設計コンセプトを継ぎながらスペックを見直したと説明されている。海外の同じ青や白、クラブ向けのfor Cobra表記を、国内のEXやPowerCoreとそのまま置き換えない。
反対に、標準装着だから必ず別設計と決めつけるのも早い。クラブ年式、正式型番、地域、重量・フレックスを確認してから比較したい。純正LIN-Qのクラブ全体の試打は、別記事で詳しく扱っている。
原試打はヘッドとスペックを一緒に読む
| 比較 | 確認した試打条件 | 結果を読むときの注意 |
|---|---|---|
| BLUE EX・野村氏 | Qi10 LS・9度/5S | 低めの弾道にはヘッドの性格も入る |
| WHITE EX・GDO | コウタロウ:G430 LST・9度/シオ氏:G430 SFT・10.5度 | 二人の結果は同じヘッドでの比較ではない |
| WHITE EX・石井氏 | G440 MAX/5S/45.5インチ/ヘッド202g(スリーブ込み) | 3球の試打。右へ抜けた例も参照 |
| EX3色・鈴木プロ | キャロウェイ・エリート9.5度/各色6S、RED5S/プロV1 | 7球から上下を除いた5球平均 |
| RED EX・吉川氏 | キャロウェイ・エリート10.5度/5S/トラックマン | 上の9.5度の比較と数値を混ぜない |
| 新旧BLUE・吉田プロ | キャロウェイ・エリート10.5度/5R・6S/プロV1 | 各3球平均。全員の改善量ではない |
| PowerCore3色・松本プロ | G440 LST・10.5度/各色5R・6S/プロV1x | 各5球平均の企画。本文では感触を中心に参照 |
| PowerCore・T島氏 | メーカーラボで3色と複数スペックを試打 | 本文でヘッド型番を確認できず、数値比較にしない |
原試打の球筋を紹介しても、別々の打ち手のキャリーを並べて飛距離ランキングにはしない。新旧を同じ条件で比べたBLUEと、そうではないWHITE・REDは区別して読む必要がある。
一番飛んだ一球より、いつものミスが残るかを見る
最初は今の純正や使い慣れたシャフトを残して、同じヘッド・設定・なるべく同じ完成長で比べたい。普段のテンポで打ち、少し強く振った球と少し緩めた球も残す。左右、打点、高さ、キャリーのどこが揃ったかを見る。
白で芯を食った一球が強くても、ほかが全部右へ抜けるなら、まだ候補を絞りきれない。赤で気持ちよく戻ってきても、力んだ一球が大きく左へ曲がるなら、それも同じ重さの結果として扱いたい。
重さを変える試打と、色を変える試打を一度に済ませないほうが違いをつかみやすい。まず同じくらいの実重量で色を比べ、次に硬さや重量を選び直す。最後に、疲れてきたときにも同じテンポで振れるかを確かめたい。
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よくある疑問
EXとPowerCoreは同じもの?
別の世代。メーカーはPowerCoreで全体のしなやかな戻りと打感の向上を説明する。新旧BLUEの原試打でも動きの感じ方が違った。
BLUE・WHITE・REDはどう選ぶ?
青を基準に、先の動きを抑えたいなら白、高さやつかまりが欲しいなら赤を比較する。実際の球筋はスペックとヘッドでも変わる。
WHITEなら左へ行かない?
左を抑える狙いのモデルでも保証ではない。逆に、ヘッドを戻しきれず右へ抜けた試打もある。
WHITE EXとPowerCore WHITEの違いは?
PowerCoreには5Rがある。5S重量はEX58gに対してPowerCore62g、6SはEX68gに対してPowerCore66g。世代全体を軽い・重いとまとめない。
REDは先調子?
国内LIN-Q RED EX・PowerCore REDの公表は中調子。同社ATTAS RX SUNRISE REDの先調子とは区別する。
PowerCoreのほうが必ず軟らかい?
メーカーはしなやかさを説明するが、色・重量・フレックスごとの比較が必要。トルクやR/Sの表記だけで換算しない。
EXからPowerCoreで必ず飛ぶ?
新旧BLUEで好結果の原試打はあるが、限られた打ち手と条件の結果。WHITEやREDまで同じ改善量にはできない。
同じ5SならATTASと同じ感覚で選べる?
公表重量も剛性分布も違う。今のATTASで好きなしなりと、消したいミスを基準に打ち比べたい。
ヘッドスピードが遅めならRにする?
一律には決めない。原試打には5Rより5Sが当てやすかった例もあり、切り返し方と一ラウンド振れる重さも関係する。
国内EXと海外LIN-Qは同じ?
国内EXは米国先行の設計を基にスペックを見直したとメーカーが説明。同じ色だけで同一仕様にはしない。
純正のLIN-Qは先が軟らかい?
標準装着かどうかだけでは判断しない。正式型番やクラブ年式を確認し、クラブ全体の評価とシャフト単独の設計を区別する。
FW・UT用もこの6モデルと同じ?
EX FW・HYは専用の別ライン。今回の表はドライバーに使う国内ウッド用6モデルが対象で、FW・UT全製品の比較ではない。