純正エアスピーダーと市販品、
振り心地と球筋はどう違う?
純正Air Speeder TMの試打で目立ったのは、ダウン後半からヘッドが走る感触だった。球は高くつかまるが、右手が強く働くとフックも出る。市販品に替えるなら、この走りとつかまりをどれくらい残したいかが気になる。
そこで見たいのが、市販AIR SPEEDERのPLUS。江澤亜弥の試打では、しなりが戻る間を取りやすく、当たり際にはボールを押せたという。張りのあるX-PLUSも、硬く感じるから球が低くなる、とは限らなかった。
純正は2020年SIMグローレ用、市販は2023年モデルのドライバー用を扱う。振り心地と球筋は、下記の原試打によるもの。GOLF DNAが純正と市販を同じヘッドで打ち比べた結果ではない。
純正は、振り下ろした後半からヘッドが追いついてくる
日刊スポーツのKAZが打ったのは、SIMグローレ・10.5度に付くAir Speeder TMのSR。軽くて、中間から先がよくたわむ。ダウンスイングの途中から当たり際にかけてヘッドが走り、左腕を中心に振っても球をつかまえやすかったという。
球は高いドローが中心で、本人が心配したような吹け上がりは出なかった。SkyTrakの3球平均は、ヘッドスピード42.1m/sで打ち出し17.1度、バックスピン2657.5rpm。ただ、軽いぶん右腕まで反応してしまうと、強いフックも交じった。つかまりのよさが、そのまま左のミスにもつながる感触だ。純正SRの原試打 →
GDOのミヤGと鶴原弘高が打った純正Sでも、高く上がってよくつかまり、ミヤGには引っかけが出ている。鶴原は、しなり戻りでヘッドが球を持ち上げるように動くと評していた。ただし、SIMグローレ自体がつかまりを助けるヘッド。市販シャフトに替えたら、その性格まで消えるわけではない。純正Sの原試打 →

市販PLUSは、しなりを待ってから押せる感触
2023年の市販AIR SPEEDERには、STANDARD・PLUS・X-PLUSの3種類がある。江澤亜弥がキャロウェイELYTEで打ったPLUSは、たわみと戻りのリズムが合いやすく、インパクトで押し返す手応えがあったという。大きくしなる軽量シャフトでも、当たり際まで頼りなく感じたわけではなかった。市販3フレックスの原試打 →
メーカーの試打紹介でも、PLUSを選んだ瀬戸晴加は、軟らかさを感じつつ球を押せたと話している。こちらはフジクラの販促ページでの評価だが、軽さと当たり際の手応えを両立したい人には、気になる部分だ。フジクラの試打紹介 →
今の純正では、戻ってくるヘッドを待てずに手で合わせてしまう。そういう人なら、ただ重量を増やす前に、この戻る間の取りやすさを試したい。自分の純正より落ち着くかどうかは、同じヘッドで打って確かめるところになる。

大きくたわむSTANDARD、張りを感じるX-PLUS
江澤のSTANDARDの球は、フェード、ややドロー、ストレートと左右に分かれた。大きなたわみで球を上げやすい反面、本人の振る速さでは合わせづらかったという。PLUSとX-PLUSの掲載3球は、どちらもストレート2球と、ややフェード1球だった。
X-PLUSには張りがあり、強く振って球を前へ送れる感触があった。ただ、打ち出しの平均はPLUSと同じ16.5度で、スピンはむしろ多い。しっかり感じるシャフトを選べば、必ず球が低くなって左も消える、とまでは言えない。
| フレックス | 掲載3球の球筋 | HS | 打ち出し | スピン |
|---|---|---|---|---|
| STANDARD | フェード/ややドロー/ストレート | 36.2m/s | 16.8度 | 2320rpm |
| PLUS | ストレート/ストレート/ややフェード | 36.4m/s | 16.5度 | 2183rpm |
| X-PLUS | ストレート/ストレート/ややフェード | 36.2m/s | 16.5度 | 2376rpm |
各5球から最大・最小距離を除いた3球。全打球の左右分散を示す表ではない。ロフトや組立条件は参照本文では確認できず、KAZの純正SRの数値との差はシャフトの性能差には換算できない。原試打の全掲載値 →
純正SRから市販PLUSへ。同じ硬さを買う話ではない
純正SRを使っているから市販もSR、とは選べない。2023年の市販品は、S・SR・Rの表示ではなく3種類の専用フレックス。しかもPLUSの公表重量は37.5gで、純正SRの約44gより数字は小さい。市販へ替えることと、重くすることは別に考えたい。
| モデル・フレックス | 公表重量 | トルク/調子 | 長さの表記 |
|---|---|---|---|
| Air Speeder TM SR(SIMグローレ用) | 約44g | 6.8度/先中 | 標準クラブ長46インチ |
| AIR SPEEDER STANDARD(2023) | 33.5g | 9.9度/先中 | シャフト製品長46インチ |
| AIR SPEEDER PLUS(2023) | 37.5g | 7.6度/先中 | シャフト製品長46インチ |
| AIR SPEEDER X-PLUS(2023) | 40.0g | 6.7度/先中 | シャフト製品長46インチ |
純正はクラブ仕様表、市販は未カットの単体仕様。測定条件を同一とは確認できないため、差し引いて交換後の軽量化量を示す表ではない。クラブ長とシャフト単体の製品長も区別する。純正仕様 → 市販仕様 →
純正Air Speeder TMは、フジクラとテーラーメイドがSIMグローレ用に共同開発したモデル。市販品と名前だけで同一視できない。TENSEIやVENTUSと同様、メーカー向けの専用品なのか、市販モデルをカスタム注文で装着したのかは分けて確かめたい。
試打条件と、比べられる範囲
純正SRはKAZの原試打。SIMグローレ・10.5度、46インチ、実測276.6g、D3。計測器はSkyTrak、3球平均。使用球は記載がない。GDOの別試打は同ヘッド・10.5度/純正Sで、SRと同じ試打ではない。
市販3種類は江澤亜弥の2025年試打で、キャロウェイELYTEを使用。各5球から最大・最小距離を除く3球。ロフト・クラブ長・バランス・使用球・計測器は参照本文では確認できない。同じヘッドで純正と市販を比較した記録ではなく、交換後の飛距離差・高さ・曲がり幅を保証する数値ではない。
フジクラの瀬戸晴加の例はメーカーの販促コンテンツ。江澤の計測値と混ぜず、本人が述べた当たり際の感触だけを参照する。2014年などの旧市販モデル、FW・UT・アイアン用、別年式のメーカー専用品へ今回の内容をそのまま当てはめない。
軽さは好き。そのまま戻る間を変えられるか
今の純正で高い球を楽に打てていて、左も怖くないなら、その走りを手放す必要はない。右へ弱く逃げる球に悩んでいる人が、つかまりを減らしたら、かえって打ちづらくなることもある。
軽さは残したいけれど、当たり際だけ忙しい。それならPLUSで戻りを待てるか、X-PLUSの張りなら自分から振っていけるかを比べたい。逆に、大きなしなりを使って球を上げたいならSTANDARDも候補になる。
試すときは、まず純正と同じヘッド、近い長さ・グリップ重量で。普段の速さと、少し力を抜いた振り方で交互に打つ。いい当たりの一球だけでなく、左へ曲がった球、右に残った球がどう変わったかまで見れば、欲しかった感触かどうかが分かりやすい。