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ギア/シャフト 調査・執筆 公開

VANQUISH比較

初代とVV、3・4・5の振り心地と球筋の違い

軽くしたい。でも、切り返しで頼りなくなったり、先が戻りすぎて左へ行ったりするのは困る。VANQUISHを選ぶときは、何グラム減らせるかと同じくらい、軽くしたあとにどんなしなりを残したいかが気になる。

初代VANQUISH Driverの張りを感じる振り心地と、VVのしなりを使いやすい感触。国内の2モデルを中心に、3・4・5の重量帯と硬さを比べる。VVが新しいという理由だけで、今の初代を替える話にはしない。

国内ドライバー用VANQUISH DriverとVANQUISH VVの各17スペックが中心。振り心地と球筋は各掲載者の原試打を参照し、GOLF DNA自身の実打とは区別します。30g台など実打条件を確認できない組み合わせの球筋は補っていません。

軽くしても、しなりの助けを増やしたいとは限らない

軽いシャフトへ替えるときも、自分のテンポで強く振りたい人と、シャフトのしなりを感じながらゆっくり振りたい人では、欲しい感触が違う。軽さだけで候補を一つに絞ると、この違いが抜け落ちる。

初代とVVの4Sを同じヘッドで打った鶴原弘高氏の比較では、初代は負荷を受け止める張り、VVはしなりを感じやすい動きが評価された。VVは初代のしなりが物足りない人にとって、別の選択肢になる。

初代は2022年、30g台は2024年、VVは2025年

国内Driver系の展開。初代の3番台は後から追加された
モデル・展開時期確認する型番
初代VANQUISH Driver2022年に登場4・5の重量帯で出発
初代に30g台を追加2024年4月VANQUISH 3
VANQUISH VVを追加2025年7月VV3・VV4・VV5

初代は青系、VVは緑系の外観が目印になる。ただし色だけで仕様を決めず、DriverかVVか、3・4・5の番号、R3からTXまでの表記を確かめたい。初代とVVは、現在の国内製品ページにどちらも掲載されている。

初代の張りと、VVの中間のしなりを比べる

メーカー公表の調子と、原試打で比較したい感触
比較項目初代VANQUISH DriverVANQUISH VV
国内公式の調子先中(MID-LOW)中(MID)
振り心地の入口軽量でも、負荷をかけたときの張りを残したい中間のしなりを感じて、戻る動きを使いたい
4S同士の原試打切り返しで遅れすぎない感触初代よりたわみを感じやすい感触
球筋で確かめること自分で振って高さとキャリーを確保できるかしなりの助けが合うか。高さやつかまりが増えすぎないか
硬い仕様を選ぶ場合S・X・TXも別々に試すVVでも4Xなどは、軽いのにしっかり感じる例がある

この表は全34スペックを同条件で打った結果ではない。特に30g台の球筋を、4Sや4Xの原試打からそのまま作ってはいない。

初代Driver|軽くしても、切り返しでしっかり負荷をかけたい

初代VANQUISH Driverの製品写真
初代VANQUISH Driver。写真の表示仕様は5S。画像:三菱ケミカル公式。

初代は先中調子の表示だが、ただ先端が軟らかく、ヘッドを強く返すだけの軽量シャフトとは考えにくい。吉田朋広氏の試打では、中間から先に動きを感じながら、当たり際には先端のしっかり感もあると評価されている。

4S同士の比較で鶴原氏が感じたのは、切り返しで負荷をかけても、大きくたわんで遅れてこない張りだった。今の50g台は最後まで振り切れるが、もう少し軽くしたい。そんな人が、いつもの強めの切り返しを残せるかを見る比較に向く。

球を上げるには、自分がしなりを使えているかも見たい。張りが気持ちよくても、軽くなったぶん急いで振り、打点が下に寄って低い球が増えるなら、その組み合わせを選ぶ理由は薄くなる。これは試打で確かめたい点で、初代なら必ず低い球になるという意味ではない。

VV|中間がしなって、戻ってくる動きを使いたい

VANQUISH VVの製品写真
VANQUISH VV。写真の表示仕様は4S。初代とは別モデル。画像:三菱ケミカル公式。

メーカーはVVを、中間部のしなりをトップからインパクトへ向けてスピードにつなぐモデルと説明する。発表試打会の記者も、極端につかまえる動きより、イメージどおりにしなって球筋を調整しやすいと評価していた。

ゴルフおじさんの原試打では、中間を軸に滑らかにしなり、一定のところで踏ん張る感触が語られている。柔らかく曲がり続けてヘッドが追いつかない感触とは分けて読める。ただし記事本文で試打スペックを確定できないため、この感想をVVのどの硬さにも当てはめない。

初代の戻りが速く感じたり、シャフトにもう少し間を作ってほしかったりする人なら、VVの中間の動きを比べたい。インパクトまで待てる感触が増えても、最後に手でフェースを返し直す必要がないかまで確認する。

同じ4Sでも、張りの強さとしなりの量は違って感じられた

鶴原氏はQi35ドライバー・10.5度で、初代とVVの4Sを比較している。初代49.3g、VV49.6gと公表重量は近いが、VVのほうにしなりを大きく感じたという。差を、軽くなったからと説明する比較ではない。

面白いのは、公式の調子は初代が先中、VVが中なのに、本人の感触は初代が中、VVが先中に近かったこと。カタログ表示は設計を読む入口にはなるが、しなる量や戻るタイミングまで一言で決まらない。感じ方の違いを、物理的なしなる位置が逆転した証拠にはしない。

同じヘッドで比べられるときは、「どちらが軟らかいか」だけでなく、切り返しで待てるか、途中でシャフトが遅れて感じるか、いつものテンポで打点が揃うかを見たい。

VVに替えると、必ず高い球・低い球になるわけではない

米国のメーカー発表では、VVは初代よりキックポイントを手元側へ移し、打ち出しを少し抑える狙いと説明されている。一方、国内の発表試打では、打ち出しの取りやすさも評価されている。狙いと実際の球筋は、試した重量・硬さやヘッドと一緒に読む必要がある。

SIMにVV4Xを組んだ購入者の原試打では、スピンを抑えた前へ進む球で、軽いドローの結果が報告された。軽量だから吹ける、VVだから高く上がる、というまとめにはならない。4Sとは硬さも打ち手もヘッドも違う例として参照したい。

上がりにくさが悩みなら、低スピンという言葉よりもキャリーを見たい。今のシャフトよりヘッドスピードが出ても、球が早く落ちてキャリーを失っているなら、ロフトや硬さを含めて選び直す余地がある。

3番台|最も軽い一本を選ぶ前に、今の重さを確認する

3番台は2024年に初代へ加わり、VVにも用意された。初代3R3は36.3g、VV3R3は36.5g。一方で3Xは初代43.8g、VV44.8gになる。3という番号が、そのまま全品30g台という意味ではない。

この重量帯での初代とVVの球筋を、今回の原試打では揃えて確認できていない。40g台の試打をそのまま小型化して、「3ならもっと上がる・つかまる」とは書けない。今のクラブが後半に重く感じる人が、軽さによって振り切れるかを試す入口として考えたい。

軽くしてタイミングが早くなると、良い当たりの球だけでは選びにくい。打点が散らばらないか、強く振ろうとしたときに自分でクラブを待てるかも、元の一本と交互に比べたい。

4番台|「40g台」でも、Sはほぼ50g、Xは50gを超える

初代4Sは49.3g、VV4Sは49.6g。Xになると初代51.8g、VV52.3gで、どちらも50gを超える。今のシャフトが50g台だから大きく軽くなる、と番号だけで見積もらないほうがいい。

4Sの初代とVVを先に比べると、重さが近いまま、張りとしなやかさの好みを見やすい。そこからXにする、Rへ落とすときは、重量も変わる。硬さだけ一段動かしたつもりで選ばないようにしたい。

5番台|軽さと、ヘッドの重みを感じる余裕を両方見る

初代5Sは56.8g、VV5Sは56.7g。4Sからはそれぞれ7.5g、7.1g増える。すべてカット前なので完成重量の差そのものではないが、軽いほうが速く振れるか、少し重さがあるほうがタイミングを揃えやすいかを比べる意味がある。

5番台のR2やSRもあるため、重さを残してしなりの感じ方を変える選択もできる。4Sが軽すぎて切り返しを急ぐなら、5番台の軟らかい側を候補に入れてもいい。実際に高さとキャリーが残るかは、同じヘッドで確かめたい。

R2・R・SR・S・X・TXは、同じ軽さの硬さ違いではない

初代を試した吉田氏は、R2〜SRの滑らかな動きに対し、S・Xでは手元の張りをより感じ、TXはさらに強い感触と評価している。Sの次がX、その次がTXという文字の並び以上に、自分が使えるしなりが残るかを見たい。

3番台はR3・R2・R・S・Xの5種類、4・5番台はR2・R・SR・S・X・TXの6種類ずつ。3番台にSRやTXがあると思って探さないようにしたい。

たとえばVV5Rと5SRは重さが近く、VV4Xと4Sは重さも違う。S・Xの文字を他ブランドの同じ表示へ換算せず、今の一本の実重量と、切り返しでしなりを感じるタイミングを基準に選びたい。

初代とVVの公表スペックを同じ行で見る

国内公式ページのカット前スペック。全品1168mm(46インチ)
重量番号/硬さ初代の重量VVの重量初代のトルクVVのトルク
3/R336.3g36.5g10.6度9.1度
3/R238.3g38.4g10.6度9.1度
3/R39.3g40.0g10.4度9.1度
3/S40.8g41.9g10.4度9.1度
3/X43.8g44.8g10.4度8.7度
4/R247.3g47.7g5.4度6.0度
4/R48.3g47.7g5.4度6.0度
4/SR49.3g49.3g5.3度6.0度
4/S49.3g49.6g5.3度6.0度
4/X51.8g52.3g5.2度6.0度
4/TX55.3g54.0g5.2度6.0度
5/R252.8g53.5g4.2度4.5度
5/R55.3g54.6g4.2度4.5度
5/SR55.3g55.4g4.2度4.5度
5/S56.8g56.7g4.2度4.5度
5/X58.8g59.5g4.1度4.5度
5/TX59.8g59.8g4.0度4.5度

公表の調子は初代が先中、VVが中。トルクはねじれやすさの値で、手元・中間・先端の曲げ剛性とは別なので、数字が増えたぶんだけ全体が軟らかいとは読まない。完成長、ヘッド、スリーブ、グリップも揃えて比べたい。

±1g・±1cpmの管理と、自分に合うかは別に確認する

メーカーは重量を±1g、振動数を±1cpmで管理すると説明している。一本ごとのばらつきを抑えて選びたい人には気になる特徴だが、合うフレックスを自動的に決めてくれる数字ではない。

また、同じ完成クラブで振動数が必ずその幅に収まるという保証とは分けたい。完成長やヘッド重量、固定条件、加工が違えば測定値も変わる。中古の別の一本へ挿し替えたときも、シャフト型番だけで同じ組み方とは決められない。

GOLF5 VANQUISHはBlue・Redと0・1・2で確認する

ゴルフ5と三菱ケミカルの共同開発品にもVANQUISHの名前がある。こちらはBlueが先調子、Redが中元調子で、硬さを0・1・2で展開する別の製品群。一般販売の初代やVVの3・4・5、R〜TXとは、型番の見方から違う。

共同開発品のBlueを「初代の青」、Redを「VVの次」と読み替えない。店頭や中古で見つけたときはGOLF5表記まで確認したい。この章は識別のためで、共同開発品まで同条件で打ち比べた評価ではない。

標準装着や海外仕様も、正式名まで見ておく

クラブ向けに付いたブランド名や、メーカーとの共同開発名があるものは、正式型番とクラブ年式まで確認する。VANQUISHのロゴがある、青や緑に見える、というだけで市販DriverやVVのスペック表へ当てはめない。

逆に、標準装着だから必ず別設計とも決めない。国内・海外、ドライバー用・FW用などの区別を付けて、販売時の仕様を確かめたい。今回の比較表は国内ドライバー用のDriverとVVが対象になる。

今の一本から替えるなら、何を残したいかで選ぶ

買い替えを決める表ではなく、比べる候補を整理する表
今の悩み・好み比較する入口打って確かめること
50g台は振れるが、もう少し軽くしても張りは残したい初代4番台と今の一本軽くして打点と左右が散らばらないか
初代の動きが小さく、しなりをもう少し感じたい同じ重量帯・硬さのVV切り返しで待てるか、戻りが大きすぎないか
VVがしなりすぎる、いつものテンポと合わない同重量帯の初代やVVの別フレックス重さと硬さを同時に変えて理由を見失わないか
後半に重く感じるので軽量化したい3・4番台を現在の一本と比較良い一球より、疲れたときの振り切りと打点
4番台では軽くて振り急ぐ5番台の軟らかい側も候補重さで間ができるか、高さとキャリーが残るか

今の純正が打ちやすいなら、それを残して比べたい。メーカー名や公差だけで替えるより、今の一本で起きているミスが減るかを確認してから選びたい。

原試打で確認できた条件を整理する

同じヘッドでの直接比較と、別々の試打を混ぜない
原試打確認した条件本文での扱い
初代・吉田朋広氏ブリヂストンB3/45.5インチ/40・50g台の複数フレックスSR以下とS・X・TXの感触の違い。重量帯ごとの数値は一括りにしない
初代とVV・鶴原弘高氏Qi35ドライバー10.5度/両方4S/HS40m/sで試打/Pro V1 RCT重量が近い同士の振り心地比較。HSの推奨を全員へ一般化しない
VV・発表試打会の記者発表会で実打。本文でヘッドとフレックスを確定できずしなりと操作感の感想だけを参照
VV・ゴルフおじさん本人の原試打。本文でヘッド・硬さ・完成長を確定できず滑らかな中間のしなりという感想。数値の横比較はしない
VV・購入者まさ氏テーラーメイドSIM/VV4X/トラックマン4軽硬仕様で低スピンの球が出た別条件の例

鶴原氏の記事では初代4Sのトルク表記に現行メーカー値との差があるため、本稿のスペック表はメーカー公表値へ揃えた。感じた球筋の紹介と、公表スペックの転記は区別している。

軽くしたあと、緩めても強く振っても戻せるかを見る

同じヘッドと設定、なるべく同じ完成長で、今の一本と候補を交互に打つ。最初に軽さの差を見て、次に初代とVVの感触を比べる。重量と硬さを一度に大きく変えないほうが、何が合ったかをつかみやすい。

軽くなってヘッドスピードが出ても、打点が散ったり、高さが足りずキャリーが落ちたりすれば迷う理由が残る。反対に、シャフトがよくしなって振りやすくても、少し力んだ一球で大きく左へ曲がるなら、その結果も含めて見たい。

一番飛んだ球だけでなく、少し緩めて打った球、数球続けた後の球も残す。軽さによって一ラウンド振り切れるようになったのか、軽すぎて急ぐようになったのか。VANQUISHを選ぶときは、そこまで比べたい。

よくある疑問

初代とVVはどう違う?

国内公表は初代が先中、VVが中調子。同じ4Sの原試打では初代の張りとVVのしなりやすさが比較された。

VVのほうが必ず飛ぶ?

打ち手と組み方による。しなりの助けが増える感触を好むか、初代の張りを残したいかで比較したい。

VVなら高い球になる?

一律にはできない。メーカーの狙いと原試打は区別し、硬い4Xでスピンを抑えた球が出た例も参照している。

3番台は全部30g台?

違う。初代3Xは43.8g、VV3Xは44.8g。公表のカット前重量を確認したい。

4番台のXは40g台?

初代4Xは51.8g、VV4Xは52.3gで、どちらも50gを超える。

3番台にもSRやTXはある?

国内現行の3番台はR3・R2・R・S・X。4・5番台にはR2・R・SR・S・X・TXがある。

RからTXまで等間隔の硬さ?

表示だけで同じ幅とは決めない。初代の原試打ではSR以下とS以上で感触が変わり、TXはさらに強いと評価された。

30g台ならもっと上がる?

今回、30g台同士の実打条件は確認できていない。4Sや4Xから球筋を推測せず、実際のヘッドで確かめたい。

重量±1g、振動数±1cpmは何の数字?

メーカーが説明する製品の管理基準。完成長やヘッド重量などが違うクラブ全体の測定値を、その幅で保証する数字ではない。

GOLF5版のBlueは初代と同じ?

別の製品群。GOLF5 VANQUISHはBlue・Redと硬さ0・1・2で識別し、市販Driver・VVと混同しない。

全部日本製?

国内の現行製品ページにはCHINA/JAPANの表記がある。米国記事のMade in Japanを国内全品の表示として置き換えない。

FWやアイアン用も同じ選び方?

今回はドライバー用の2モデルが中心。FW・Hybrid・Ironは専用の別製品なので、この表をそのまま適用しない。

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