ゴルフ史

1982年

EYE2とカーボンヘッド、道具の記憶が増える年。

1982年。バンガードを道具の入口に、中嶋常幸と涂阿玉が頂点に立った国内ツアー、世界の男女メジャーと賞金争いを振り返る。PINGのEYE2、ミズノのカーボンヘッド「バンガード」。バッグに入れる道具の選択肢が変わった。大会ではワトソンが全米と全英を制し、二つの海辺に勝利を残した。

この年を象徴するドライバー

1982年登場のMIZUNO バンガード。当時のドライバーの実物写真。

シャフトに続き、ヘッドにもカーボン。ミズノが1982年に発売したバンガードは、木製ウッドとは違う素材への挑戦だった。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    1982シーズン

    クレイグ・スタドラー

    $446,462

    年間賞金ランキング 1位

    米男子の年間賞金首位。公式賞金の額で、ボーナスとは合算しない。

  • 米女子 · LPGA

    1982シーズン

    ジョアン・カーナー

    $310,400

    年間賞金ランキング 1位

    米女子の年間賞金首位。年間最優秀選手・平均ストローク賞とは別に読む。

  • 日本男子 · 国内ツアー

    1982シーズン

    中嶋常幸

    ¥68,220,640

    年間賞金ランキング 1位

    国内男子ツアーの年間賞金首位。

  • 日本女子 · JLPGA

    1982シーズン

    涂阿玉

    ¥39,029,644

    年間賞金ランキング 1位

    年間9勝。この年の国内女子賞金ランキングを制した。

女子メジャーは当時3大会。ディナショアはまだメジャー昇格前。カナダの大会は2000年までメジャー、2001年から全英女子に交代した。米男子は暦年のシーズンで、FedExCup開始は2007年。国内男子は当時の賞金加算対象を集計し、現行のツアー区分を過去へそのまま当てはめない。女子の大会欄は開催年の結果をまとめて掲載する。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

1982年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

春のオーガスタから夏のリンクス、女子の主要タイトルと年間賞まで。

  1. 4月

    クレイグ・スタドラー、オーガスタの頂点へ

    クレイグ・スタドラーとダン・ポールが284打で並び、決着はプレーオフへ。スタドラーが勝ってメジャー初優勝。同年の米男子賞金首位にもなった。

  2. 6月

    トム・ワトソンの全米オープン

    トム・ワトソンが282打で初めての全米オープン優勝。ペブルビーチの17番ではラフからチップイン。追っていたジャック・ニクラウスに2打差をつけた。

  3. 7月

    トム・ワトソン、全英で刻んだ284打

    トム・ワトソンが全英オープンを284打で制した。リンクスでの四ラウンドをまとめ、クラレットジャグを手にした。大会を決めた場面は、下のストーリーでも辿れる。

  4. 8月

    レイモンド・フロイド、全米プロを制す

    サザンヒルズの全米プロは、レイモンド・フロイドが合計272打で優勝。2位に3打差をつけた。

  5. 年間

    女子メジャーの勝者たち

    当時の女子メジャーは、すべて異なる選手が制した。全米女子オープンはジャネット・アンダーソン、全米女子プロはジャン・スティーブンソンが優勝。カナダのピーター・ジャクソン・クラシックも含む3大会の時代だった。

  6. 年間

    米女子、賞金と年間賞の顔ぶれ

    ジョアン・カーナーが賞金首位、年間最優秀選手、平均ストロークのヴェア・トロフィーをそろえた。一大会の優勝だけでなく、年間を通じた強さでもツアーの中心に立った。

日本のゴルフ

賞金争いと男女の主要選手権。海外の結果と並べて、この年の日本を振り返る。

  1. 年間

    中嶋常幸が国内男子の賞金首位に

    中嶋常幸が68,220,640円で賞金ランキング首位。前年とは違う選手が年間の頂点に立った。大会ごとの勝者に加え、一年を通じた賞金争いでもこの名前を覚えておきたい。

  2. 年間

    涂阿玉、年間9勝で賞金女王

    涂阿玉が39,029,644円で国内女子の賞金ランキングを制した。年間9勝。

  3. 大会

    矢部昭の日本オープン

    矢部昭が武蔵カントリークラブ 豊岡コース (埼玉県)で行われた日本オープンに優勝。合計277打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは69で回った。

  4. 大会

    倉本昌弘の日本プロゴルフ選手権

    倉本昌弘が名神八日市カントリークラブ (滋賀県)で行われた日本プロゴルフ選手権に優勝。合計274打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは69で回った。

  5. 7月

    日蔭温子、日本女子オープンの頂点へ

    フォレスト(西)で行われた日本女子オープンは、日蔭温子が合計285打で優勝。年間の賞金争いとは別に、この一週間を勝ち切った選手の名前も残しておきたい。

  6. 9月

    岡本綾子、日本女子プロを制す

    岡本綾子が高岡カントリークラブ(富山)で行われた日本女子プロ選手権に優勝。合計283打、5アンダーで2位に1打差をつけた。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 1982

EYE2、ウェッジにはSとL。

PINGがEYE2アイアンを開発した年。公式回顧では、同年発売のウェッジにSとLの二種類があった。サンドとロブを表す文字で、メーカーはそれぞれの用途に合わせたロフトやソールの設計を説明している。

シャフトではなく、ヘッドにカーボン。

ミズノは「バンガード」を開発・発売した。カーボンを採用したのは、球を打つ頭の部分。この年のメーカー史には、クラブの素材をヘッドから変えようとする試みが記録されている。

ペブルビーチから、ロイヤルトゥルーンへ。

ワトソンは全米の最終17番で、ラフから直接入れるバーディを決めて優勝。続く全英も合計284打で制した。全米と全英を同じ年に勝ち、全英の勝利数は四つになった。