ゴルフ史

1983年

青木功、128ヤードから米ツアー初優勝へ。

1983年。バンガードを道具の入口に、中嶋常幸と涂阿玉が頂点に立った国内ツアー、世界の男女メジャーと賞金争いを振り返る。ハワイアンオープンの最後に待っていたのは、ラフからの第三打だった。青木功が逆転イーグルで日本人初の米ツアー優勝。全英ではワトソンが五度目のジャグを手にする。

この年を象徴するドライバー

1982年登場のMIZUNO バンガード。当時のドライバーの実物写真。

1982年登場のバンガードを、この年の道具を思い出す一本に。シャフトに続き、ヘッドにもカーボン。ミズノが1982年に発売したバンガードは、木製ウッドとは違う素材への挑戦だった。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    1983シーズン

    ハル・サットン

    $426,668

    年間賞金ランキング 1位

    米男子の年間賞金首位。公式賞金の額で、ボーナスとは合算しない。

  • 米女子 · LPGA

    1983シーズン

    ジョアン・カーナー

    $291,404

    年間賞金ランキング 1位

    米女子の年間賞金首位。年間最優秀選手・平均ストローク賞とは別に読む。

  • 日本男子 · 国内ツアー

    1983シーズン

    中嶋常幸

    ¥85,514,183

    年間賞金ランキング 1位

    国内男子ツアーの年間賞金首位。

  • 日本女子 · JLPGA

    1983シーズン

    涂阿玉

    ¥45,764,313

    年間賞金ランキング 1位

    年間9勝。2年連続の賞金女王。

女子メジャーは当時4大会。カナダの大会は2000年までメジャー、2001年から全英女子に交代した。米男子は暦年のシーズンで、FedExCup開始は2007年。国内男子は当時の賞金加算対象を集計し、現行のツアー区分を過去へそのまま当てはめない。女子の大会欄は開催年の結果をまとめて掲載する。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

1983年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

春のオーガスタから夏のリンクス、女子の主要タイトルと年間賞まで。

  1. 4月

    セベ・バレステロス、オーガスタの頂点へ

    セベ・バレステロスが280打で優勝。ベン・クレンショーとトム・カイトの284打を4打上回り、1980年に続く2度目のマスターズ制覇を果たした。

  2. 6月

    ラリー・ネルソンの全米オープン

    ラリー・ネルソンが280打で優勝。トム・ワトソンに1打差をつけ、オークモントの全米オープンを制した。1981年の全米プロに続くメジャー優勝だった。

  3. 7月

    トム・ワトソン、全英で刻んだ275打

    トム・ワトソンが全英オープンを275打で制した。リンクスでの四ラウンドをまとめ、クラレットジャグを手にした。大会を決めた場面は、下のストーリーでも辿れる。

  4. 8月

    ハル・サットン、全米プロを制す

    リビエラの全米プロは、ハル・サットンが合計274打で優勝。2位に1打差をつけた。

  5. 年間

    女子メジャーの勝者たち

    当時の女子メジャーは、すべて異なる選手が制した。全米女子オープンはジャン・スティーブンソン、全米女子プロはパティ・シーハンが優勝。ディナショアがメジャーに加わり、女子は4大会となった。

  6. 年間

    米女子、賞金と年間賞の顔ぶれ

    年間最優秀選手はパティ・シーハン、平均ストロークのヴェア・トロフィーはジョアン・カーナー。賞金首位のジョアン・カーナーと並べると、一年の強さを測る物差しが見える。

日本のゴルフ

賞金争いと男女の主要選手権。海外の結果と並べて、この年の日本を振り返る。

  1. 年間

    中嶋常幸が国内男子の賞金首位に

    中嶋常幸が85,514,183円で賞金ランキング首位。2年連続のタイトルとなった。大会ごとの勝者に加え、一年を通じた賞金争いでもこの名前を覚えておきたい。

  2. 年間

    涂阿玉、年間9勝で賞金女王

    涂阿玉が45,764,313円で国内女子の賞金ランキングを制した。年間9勝。2年連続の賞金女王。

  3. 大会

    青木功の日本オープン

    青木功が六甲国際ゴルフ倶楽部 (兵庫県)で行われた日本オープンに優勝。合計281打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは69で回った。

  4. 大会

    中嶋常幸の日本プロゴルフ選手権

    中嶋常幸が紫雲ゴルフ倶楽部 (新潟県)で行われた日本プロゴルフ選手権に優勝。合計279打でタイトルを獲得した。年間賞金首位の選手が、主要選手権でも結果を残した。

  5. 7月

    涂阿玉、日本女子オープンの頂点へ

    芦原(海)で行われた日本女子オープンは、涂阿玉が合計218打で優勝。賞金女王のタイトルとともに、日本一を決める大会でも強さを示した。

  6. 9月

    大迫たつ子、日本女子プロを制す

    大迫たつ子が蒲生ゴルフクラブ(滋賀)で行われた日本女子プロ選手権に優勝。合計288打、イーブンパーで同スコアの争いをプレーオフで制した。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 1983

最後のホールで、一打を追う。

青木功と首位を争ったジャック・レナーは、18番でバーディを奪って先に上がった。青木には追いつくためのバーディが必要になる。ところが第二打は左へ曲がり、ラフから128ヤードを残した。

ウェッジの球が、そのまま入る。

青木はピッチングウェッジで第三打を放った。球はグリーンで弾んでカップに入り、逆転のイーグル。2月13日、日本人初の米ツアー優勝を果たす。1981年の本格参戦から続けた挑戦が実った。

ワトソンは、最後に2番アイアン。

全英ではワトソンが18番の第二打で、218ヤードを2番アイアンで捉えた。2パットのパーで締め、合計275打、1打差で五度目の優勝。青木のウェッジとともに、勝利を決める道具の一打が残った。