ゴルフ史

1985年

客席の少年が全英王者に、欧州は団体戦でも勝つ。

1985年。スペースワンドを道具の入口に、中嶋常幸と涂阿玉が頂点に立った国内ツアー、世界の男女メジャーと賞金争いを振り返る。11歳でジャクリンの全英優勝を見たサンディ・ライルが、自分のジャグを手にした。秋には欧州チームがライダーカップに勝利。英国と欧州のゴルフに、二つの喜びが重なる。

この年を象徴するドライバー

1985年登場のMIZUNO スペースワンド。当時のドライバーの実物写真。

スペースワンドは1985年登場。クラブを一本ずつではなく、セットのつながりでも考えた時代の代表モデル。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    1985シーズン

    カーティス・ストレンジ

    $542,321

    年間賞金ランキング 1位

    米男子の年間賞金首位。公式賞金の額で、ボーナスとは合算しない。

  • 米女子 · LPGA

    1985シーズン

    ナンシー・ロペス

    $416,472

    年間賞金ランキング 1位

    米女子の年間賞金首位。年間最優秀選手・平均ストローク賞とは別に読む。

  • 日本男子 · 国内ツアー

    1985シーズン

    中嶋常幸

    ¥101,609,333

    年間賞金ランキング 1位

    国内男子ツアーの年間賞金首位。国内優勝は6勝。

  • 日本女子 · JLPGA

    1985シーズン

    涂阿玉

    ¥65,634,788

    年間賞金ランキング 1位

    年間7勝。4年連続の賞金女王。

女子メジャーは当時4大会。カナダの大会は2000年までメジャー、2001年から全英女子に交代した。米男子は暦年のシーズンで、FedExCup開始は2007年。国内男子は当時の賞金加算対象を集計し、現行のツアー区分を過去へそのまま当てはめない。女子の大会欄は開催年の結果をまとめて掲載する。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

1985年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

春のオーガスタから夏のリンクス、女子の主要タイトルと年間賞まで。

  1. 4月

    ベルンハルト・ランガー、オーガスタの頂点へ

    ベルンハルト・ランガーが282打で優勝。セベ・バレステロスらに2打差をつけた。ドイツの選手がマスターズの歴代王者に加わった。

  2. 6月

    アンディ・ノースの全米オープン

    アンディ・ノースが279打で優勝。オークランドヒルズで、1978年に続く2度目の全米オープン制覇を果たした。

  3. 7月

    サンディ・ライル、全英で刻んだ282打

    サンディ・ライルが全英オープンを282打で制した。リンクスでの四ラウンドをまとめ、クラレットジャグを手にした。大会を決めた場面は、下のストーリーでも辿れる。

  4. 8月

    ヒューバート・グリーン、全米プロを制す

    チェリーヒルズの全米プロは、ヒューバート・グリーンが合計278打で優勝。2位に2打差をつけた。

  5. 年間

    女子メジャーの勝者たち

    当時の女子メジャーは、すべて異なる選手が制した。全米女子オープンはキャシー・ベイカー、全米女子プロはナンシー・ロペスが優勝。年間の優勝者一覧から、女子のもう一つの勢力図も見えてくる。

  6. 年間

    米女子、賞金と年間賞の顔ぶれ

    ナンシー・ロペスが賞金首位、年間最優秀選手、平均ストロークのヴェア・トロフィーをそろえた。一大会の優勝だけでなく、年間を通じた強さでもツアーの中心に立った。

日本のゴルフ

賞金争いと男女の主要選手権。海外の結果と並べて、この年の日本を振り返る。

  1. 年間

    中嶋常幸が国内男子の賞金首位に

    中嶋常幸が101,609,333円で賞金ランキング首位。前年とは違う選手が年間の頂点に立った。大会ごとの勝者に加え、一年を通じた賞金争いでもこの名前を覚えておきたい。

  2. 年間

    涂阿玉、年間7勝で賞金女王

    涂阿玉が65,634,788円で国内女子の賞金ランキングを制した。年間7勝。4年連続の賞金女王。

  3. 大会

    中嶋常幸の日本オープン

    中嶋常幸が東名古屋カントリークラブ (愛知県)で行われた日本オープンに優勝。合計285打でタイトルを獲得した。年間賞金首位の選手が、主要選手権でも結果を残した。

  4. 大会

    尾崎健夫の日本プロゴルフ選手権

    尾崎健夫がセントラルゴルフクラブ 東コース (茨城県)で行われた日本プロゴルフ選手権に優勝。合計288打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは73で回った。

  5. 7月

    森口祐子、日本女子オープンの頂点へ

    袖ヶ浦(袖ヶ浦)で行われた日本女子オープンは、森口祐子が合計293打で優勝。年間の賞金争いとは別に、この一週間を勝ち切った選手の名前も残しておきたい。

  6. 9月

    涂阿玉、日本女子プロを制す

    涂阿玉が烏山城カントリークラブ(栃木)で行われた日本女子プロ選手権に優勝。合計284打、4アンダーで2位に3打差をつけた。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 1985

十一歳の夏、客席にいた少年。

1969年、サンディ・ライルは11歳でジャクリンが勝つ全英を見ていた。優勝者が投げた球を、もう少しで捕まえそうになったという。16年後の1985年、今度は自分が英国勢として次の全英王者になった。

最後のボギーのあと、待つ時間。

ライルは最終日の14、15番をバーディとしたが、18番では寄せた球が斜面を戻りボギー。それでも合計282打で、ペイン・スチュワートに1打差の優勝。後続が上がるまで、勝利は確定しなかった。

欧州チームとして、初めての一勝。

ベルフリーのライダーカップで欧州が勝った。大陸欧州の選手を含むチームとなってから初の優勝で、米国が敗れたのは1957年以来。全英の個人戦に加え、対抗戦でも欧州が結果を残した。