ゴルフ史

1984年

セベの拳が上がった、聖地の18番。

1984年。アルタワンドを道具の入口に、前田新作と涂阿玉が頂点に立った国内ツアー、世界の男女メジャーと賞金争いを振り返る。セントアンドリュースでバーディを決め、セベが拳を振り上げた。ワトソンの全英三連覇を止める勝利。日本ではミズノが、セラミックスのスパイクを使うシューズを発売した。

この年を象徴するドライバー

1984年登場のMIZUNO アルタワンド。当時のドライバーの実物写真。

木目を生かしたヘッドのアルタワンド。カーボンヘッドが現れたあとも、木製ドライバーはバッグの中に残っていた。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    1984シーズン

    トム・ワトソン

    $476,260

    年間賞金ランキング 1位

    米男子の年間賞金首位。公式賞金の額で、ボーナスとは合算しない。

  • 米女子 · LPGA

    1984シーズン

    ベッツィ・キング

    $266,771

    年間賞金ランキング 1位

    米女子の年間賞金首位。年間最優秀選手・平均ストローク賞とは別に読む。

  • 日本男子 · 国内ツアー

    1984シーズン

    前田新作

    ¥57,040,357

    年間賞金ランキング 1位

    国内男子ツアーの年間賞金首位。

  • 日本女子 · JLPGA

    1984シーズン

    涂阿玉

    ¥52,897,845

    年間賞金ランキング 1位

    年間7勝。3年連続の賞金女王。

女子メジャーは当時4大会。カナダの大会は2000年までメジャー、2001年から全英女子に交代した。米男子は暦年のシーズンで、FedExCup開始は2007年。国内男子は当時の賞金加算対象を集計し、現行のツアー区分を過去へそのまま当てはめない。女子の大会欄は開催年の結果をまとめて掲載する。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

1984年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

春のオーガスタから夏のリンクス、女子の主要タイトルと年間賞まで。

  1. 4月

    ベン・クレンショー、オーガスタの頂点へ

    ベン・クレンショーが277打で優勝。トム・ワトソンに2打差をつけ、初めてのグリーンジャケットを手にした。春は米国の選手、夏の全英はセベが勝った一年だった。

  2. 6月

    ファジー・ゼラーの全米オープン

    ファジー・ゼラーとグレッグ・ノーマンが276打で並び、プレーオフへ。ゼラーがウイングドフットで勝ち、マスターズに続くメジャーを手にした。

  3. 7月

    セベ・バレステロス、全英で刻んだ276打

    セベ・バレステロスが全英オープンを276打で制した。リンクスでの四ラウンドをまとめ、クラレットジャグを手にした。大会を決めた場面は、下のストーリーでも辿れる。

  4. 8月

    リー・トレビノ、全米プロを制す

    ショールクリークの全米プロは、リー・トレビノが合計273打で優勝。2位に4打差をつけた。

  5. 年間

    女子メジャーの勝者たち

    ジュリ・インクスターがメジャー2勝。全米女子オープンはホリス・ステーシー、全米女子プロはパティ・シーハンが優勝。年間の優勝者一覧から、女子のもう一つの勢力図も見えてくる。

  6. 年間

    米女子、賞金と年間賞の顔ぶれ

    年間最優秀選手はベッツィ・キング、平均ストロークのヴェア・トロフィーはパティ・シーハン。賞金首位のベッツィ・キングと並べると、一年の強さを測る物差しが見える。

日本のゴルフ

賞金争いと男女の主要選手権。海外の結果と並べて、この年の日本を振り返る。

  1. 年間

    前田新作が国内男子の賞金首位に

    前田新作が57,040,357円で賞金ランキング首位。前年とは違う選手が年間の頂点に立った。大会ごとの勝者に加え、一年を通じた賞金争いでもこの名前を覚えておきたい。

  2. 年間

    涂阿玉、年間7勝で賞金女王

    涂阿玉が52,897,845円で国内女子の賞金ランキングを制した。年間7勝。3年連続の賞金女王。

  3. 大会

    上原宏一の日本オープン

    上原宏一が嵐山カントリークラブ (埼玉県)で行われた日本オープンに優勝。合計283打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは74で回った。

  4. 大会

    中嶋常幸の日本プロゴルフ選手権

    中嶋常幸がミナミ菊川カントリークラブ (静岡県)で行われた日本プロゴルフ選手権に優勝。合計275打でタイトルを獲得した。前年からの連覇となった。

  5. 7月

    大迫たつ子、日本女子オープンの頂点へ

    甘楽で行われた日本女子オープンは、大迫たつ子が合計286打で優勝。年間の賞金争いとは別に、この一週間を勝ち切った選手の名前も残しておきたい。

  6. 9月

    黄玥珡、日本女子プロを制す

    黄玥珡が信州伊那国際ゴルフクラブ(長野)で行われた日本女子プロ選手権に優勝。合計285打、3アンダーで2位に1打差をつけた。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 1984

カップの縁から、歓喜へ。

セベの18番のバーディパットは、カップの縁で一瞬ためらってから落ちた。拳を振り上げ、キャディと抱き合う。セントアンドリュースの最終グリーンに、彼の喜びがはっきりと刻まれた。

後ろの17番で、勝負が動く。

その頃、ワトソンは17番でボギー。セベは合計276打で二度目の全英王者となり、ワトソンの三年連続優勝は成らなかった。セベ自身は、同じ17番を6番アイアンと2パットでパーに収めていた。

靴底の突起に、セラミックス。

ミズノが発売したゴルフシューズ「CBR」は、地面を捉えるスパイクにセラミックス素材を採用。公式史には、社員が堤防や石の上を走って強度を試した話も残る。道具の素材の変化は足元にも及んだ。