ゴルフ史

1979年

木の名を持つ金属ドライバーと、セベの一打。

1979年。グランドモナークスーパーを道具の入口に、青木功と樋口久子が頂点に立った国内ツアー、世界の男女メジャーと賞金争いを振り返る。テーラーメイドの金属製ドライバーが登場した年。全英では22歳のセベ・バレステロスが、駐車場からのバーディーを残した。

この年を象徴するドライバー

1977年登場のMIZUNO グランドモナークスーパー。当時のドライバーの実物写真。

1977年登場のグランドモナークスーパーを、この年の道具を思い出す一本に。木目の見えるヘッドにUCVシャフト。グランドモナークスーパーは、木製ウッドの時代を映す代表モデル。

木目のある木製ドライバーと、小ぶりの金属製ドライバーを並べたイメージ画
1979 · 時代を映す一枚木から、金属へ。

木目の美しさと、磨かれた金属。メタルウッドが登場した転換点を、二つの素材で表す。

AI生成イメージ画。実景・史料の正確な復元や、実在製品の写真ではありません。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    1979シーズン

    トム・ワトソン

    $462,636

    年間賞金ランキング 1位

    米男子の年間賞金首位。公式賞金の額で、ボーナスとは合算しない。

  • 米女子 · LPGA

    1979シーズン

    ナンシー・ロペス

    $197,489

    年間賞金ランキング 1位

    米女子の年間賞金首位。年間最優秀選手・平均ストローク賞とは別に読む。

  • 日本男子 · 国内ツアー

    1979シーズン

    青木功

    ¥45,554,211

    年間賞金ランキング 1位

    国内男子ツアーの年間賞金首位。

  • 日本女子 · JLPGA

    1979シーズン

    樋口久子

    ¥18,399,345

    年間賞金ランキング 1位

    年間5勝。2年連続の賞金女王。

女子メジャーは当時3大会。ディナショアはまだメジャー昇格前。カナダの大会は2000年までメジャー、2001年から全英女子に交代した。米男子は暦年のシーズンで、FedExCup開始は2007年。国内男子は当時の賞金加算対象を集計し、現行のツアー区分を過去へそのまま当てはめない。女子の大会欄は開催年の結果をまとめて掲載する。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

1979年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

春のオーガスタから夏のリンクス、女子の主要タイトルと年間賞まで。

  1. 4月

    ファジー・ゼラー、オーガスタの頂点へ

    ファジー・ゼラー、エド・スニード、トム・ワトソンが280打で並んだ。プレーオフを勝ち抜いたゼラーが、この年のグリーンジャケットを手にした。

  2. 6月

    ヘール・アーウィンの全米オープン

    ヘール・アーウィンが284打で優勝。1974年に続いて2度目の全米オープンを制した。会場はインバネス。難しいナショナルオープンで強さを重ねた。

  3. 7月

    セベ・バレステロス、全英で刻んだ283打

    セベ・バレステロスが全英オープンを283打で制した。リンクスでの四ラウンドをまとめ、クラレットジャグを手にした。大会を決めた場面は、下のストーリーでも辿れる。

  4. 8月

    デビッド・グラハム、全米プロを制す

    オークランドヒルズの全米プロは、デビッド・グラハムが合計272打で優勝。同点で終えた争いは、プレーオフで決着した。

  5. 年間

    女子メジャーの勝者たち

    当時の女子メジャーは、すべて異なる選手が制した。全米女子オープンはジェリリン・ブリッツ、全米女子プロはドナ・カポニが優勝。カナダのピーター・ジャクソン・クラシックも含む3大会の時代だった。

  6. 年間

    米女子、賞金と年間賞の顔ぶれ

    ナンシー・ロペスが賞金首位、年間最優秀選手、平均ストロークのヴェア・トロフィーをそろえた。一大会の優勝だけでなく、年間を通じた強さでもツアーの中心に立った。

日本のゴルフ

賞金争いと男女の主要選手権。海外の結果と並べて、この年の日本を振り返る。

  1. 年間

    青木功が国内男子の賞金首位に

    青木功が45,554,211円で賞金ランキング首位。2年連続のタイトルとなった。大会ごとの勝者に加え、一年を通じた賞金争いでもこの名前を覚えておきたい。

  2. 年間

    樋口久子、年間5勝で賞金女王

    樋口久子が18,399,345円で国内女子の賞金ランキングを制した。年間5勝。2年連続の賞金女王。

  3. 大会

    郭吉雄の日本オープン

    郭吉雄が日野ゴルフ倶楽部 (滋賀県)で行われた日本オープンに優勝。合計285打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは74で回った。

  4. 大会

    謝敏男の日本プロゴルフ選手権

    謝敏男が浅見カントリー倶楽部 (茨城県)で行われた日本プロゴルフ選手権に優勝。合計272打でタイトルを獲得した。最終ラウンドは71で回った。

  5. 9月

    吉川なよ子、日本女子オープンの頂点へ

    広島(八本松)で行われた日本女子オープンは、吉川なよ子が合計218打で優勝。年間の賞金争いとは別に、この一週間を勝ち切った選手の名前も残しておきたい。

  6. 7月

    岡本綾子、日本女子プロを制す

    岡本綾子がPLカントリークラブ(大阪)で行われた日本女子プロ選手権に優勝。合計205打、17アンダーで2位に2打差をつけた。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 1979

「パーシモン」という名の、金属製ヘッド。

ドライバーは、ティーショットで遠くへ飛ばすためのクラブ。その頭の部分を金属で作った「ピッツバーグ・パーシモン」が、テーラーメイドから登場した。

伝統的なドライバーの形を保ちながら、ヘッドの材料を木から金属へ。木製ヘッドを指すパーシモンという言葉を名前に残した点にも、変化の時代が見える。

16番。球が飛んだ先は、駐車場。

全英最終日、セベのドライバーショットは16番の右にある臨時駐車場へ。無罰の救済を受けてグリーンに乗せ、バーディーパットを沈めた。

セベはジャック・ニクラウスとベン・クレンショーに3打差をつけて優勝。22歳で初めて全英王者となった。曲がった一打の先に、名勝負が待っていた。