ゴルフ史

2004年

r7のウェイト。全英を決めたハイブリッド。

r7の可動ウェイトが店頭を変え、宮里藍と不動裕理が日本女子を沸かせた。世界ではミケルソンが初メジャー、ビジェイ・シンが年間9勝。道具と人の記憶を重ねて読む。

この年を象徴するドライバー

2004年のテーラーメイドr7 QUAD HTのヘッド。

四つの可動ウェイトが目印のr7 QUAD。写真は同年の400cc・r7 QUAD HT。重さを動かして弾道を選ぶ時代が来た。

この年、頂点に立った選手たち

SEASON LEADERS

世界の主要ツアーと日本の賞金ランキング。各ツアーのシーズン成績で振り返る。

  • 米男子 · PGA TOUR

    2004シーズン

    ビジェイ・シン

    $10,905,166

    公式賞金ランキング 1位

    年間9勝で公式賞金首位。全米プロ優勝後には世界ランキング1位に。

  • 米女子 · LPGA

    2004シーズン

    アニカ・ソレンスタム

    $2,544,707

    賞金ランキング 1位

    年間8勝で賞金首位と年間最優秀選手。ヴェア・トロフィーはグレース・パーク。

  • 日本男子 · JGTO

    2004シーズン

    片山晋呉

    ¥119,512,374

    賞金ランキング 1位(海外メジャー含む)

    年間2勝で2000年以来の賞金王。国内のみの額は110,995,366円。

  • 日本女子 · JLPGA

    2004シーズン

    不動裕理

    ¥142,774,000

    賞金ランキング 1位

    年間7勝で5年連続賞金女王。通算30勝で永久シードも獲得。

米男子は暦年の2004シーズン。FedExCupはまだ始まっていない。米女子の賞金首位と年間最優秀選手はアニカ・ソレンスタム、ヴェア・トロフィーはグレース・パークで、同じ受賞者ではない。女子メジャーは4大会。

メジャーの勝者を、一望する

MAJOR CHAMPIONS

2004年に起きたこと

WORLD & JAPAN

世界のゴルフ

ミケルソンの初メジャー、ハミルトンの寄せ、ビジェイの9勝。

  1. 4月

    ミケルソン、マスターズで初メジャー

    フィル・ミケルソンがマスターズを279打、通算9アンダーで制した。何度も優勝を争ってきた左打ちの名手が、ついにメジャー初優勝。最初のグリーンジャケットを手にした。

  2. 6月

    グーセン、シネコックで二度目の全米制覇

    レティーフ・グーセンが全米オープンで二度目の優勝。シネコックヒルズを276打で回り、フィル・ミケルソンに2打差をつけた。最終日に多くの選手が苦しむ中、パットで勝利を引き寄せた。

  3. 7月

    ハミルトン、ハイブリッドの寄せで全英を決める

    トッド・ハミルトンがロイヤルトゥルーンの全英オープンを制した。4ホールのプレーオフでは、最後のグリーン手前からハイブリッドで寄せてパー。日本で長く戦った選手が、メジャー王者になった。

  4. 7月

    マローン、最終日65で全米女子オープン優勝

    メグ・マローンが全米女子オープン最終日に65を記録した。通算10アンダー、274打でアニカ・ソレンスタムを2打差で抑えた。1991年以来、13年ぶりに同じタイトルを取り戻した。

  5. 8–9月

    ビジェイ、全米プロから世界1位へ

    ビジェイ・シンが全米プロのプレーオフを制し、この大会で二度目の優勝。9月には世界ランキング1位に立った。年間9勝という勝ち数が、公式賞金首位のシーズンを印象づけた。

  6. 3月・年間

    グレース・パーク、初メジャーと平均ストローク賞

    グレース・パークがクラフト・ナビスコ選手権でメジャー初優勝。シーズンを通しても安定した成績を残し、ヴェア・トロフィーを獲得した。賞金首位のソレンスタムとは別の年間タイトルを手にした。

日本のゴルフ

宮里藍のプロ初勝利と、不動裕理の永久シード。国内タイトルの顔ぶれも広がる。

  1. 3月

    宮里藍、故郷の沖縄でプロ初優勝

    宮里藍が開幕戦ダイキンオーキッドレディスで、プロとして初優勝した。前年のアマチュア優勝に続く勝利に、地元・沖縄は大きく沸いた。この年は日本ツアーで5勝を挙げた。

  2. 7月

    不動裕理、通算30勝で永久シード

    不動裕理がゴルフ5レディスでツアー通算30勝に到達。27歳285日で、当時の最年少永久シード選手になった。初優勝から4年8カ月での大きな節目だった。

  3. 9月

    肥後かおり、日本女子プロで公式競技三冠

    肥後かおりが日本女子プロ選手権を281打、通算7アンダーで制した。日本女子オープンとツアー選手権に続くタイトルで、国内公式競技の通算三冠を達成した。

  4. 10月

    不動裕理、日本女子オープンも制す

    不動裕理が日本女子オープンで優勝し、国内公式競技の通算三冠をそろえた。前月の肥後かおりに続く達成。ツアー通算30勝とともに、大きなタイトルも積み上げた。

  5. 10月

    谷口徹、日本オープンから2週連続優勝

    谷口徹が片山津の日本オープンを制した。翌週のブリヂストンオープンも勝ち、2週連続優勝。2002年の賞金王が、再び国内の優勝争いの中心へ戻った。

  6. 年間

    片山晋呉、二度目の賞金王

    片山晋呉が年間2勝を挙げ、2000年以来二度目の賞金王になった。世界を舞台に戦いながら、日本の賞金争いでも首位へ。翌年の日本オープン初優勝と連続賞金王へつながる一年だった。

この年を、もう少し深く

STORIES OF 2004

ウェイトを動かす、r7。

テーラーメイドのr7 QUADは、ヘッドの可動ウェイトを特徴とした。日本の2004年アーカイブに載るr7 QUAD HTは400ccで、初期配置は2、10、10、2グラム。ヘッドの重さの置き方を選ぶ時代の一本だ。

日本で戦ってきた、38歳。

トッド・ハミルトンはキャリアの多くを日本で過ごし、この年3月に米ツアーで初優勝。四度目の全英を迎えた。274打でエルスと並び、4ホールの延長に入った。

残り30ヤードを、転がして寄せる。

延長の最後、ハミルトンはグリーン手前約30ヤードからハイブリッドで転がし、約2フィートへ寄せた。パーを取り、延長を1打差で制した。長い距離を打つクラブが、優勝を決める短い寄せにも使われた。